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なんで離してくれないんだろう。自分の大事な友達に、近づけたくないから?
考えはどんどん悪い方向に落ちていく。
今度はぐずぐず泣きながら沈んでいると、いきなしぐいっと顎を掴まれて目線を無理やり上に持ち上げられる。
見上げるとパーシーが、覚悟を決めたかのように真面目な顔をしてた。

「っ?」
「もーほんとトミーはばかすぎ…っ!見とけ!!」

そういうと、となりにいたジョーの胸倉をつかむと、思い切りちゅーをした。

「――――――!?!?!」
「おら、これでわか、ん、っちょ、舌…っんぅ…」
「ちゅ、…」

しかも軽いキスですぐ終わらせようとしたパーシーを離さないように、腰と頭をひきよせ深いキスをするジョー。濃厚な水音が廊下で響き渡る。あまりの衝撃的な光景におれの涙も止まった。
………え?

「っ馬鹿ジョー!!」
「可愛いことするお前が悪いだろ」

凶悪ヅラが笑うと、なんか妙な色気が出る。パーシーが真っ赤になってジョーを一回殴った。

「……分かったか、ヒト」
「……え」

今まで黙っていたニカが口を開く。唐突すぎてついていけないおれに、パーシーが真っ赤な顔で、

「だ・か・ら!!おれたちは付き合ってんの!!!」
「……え?」
「だからトミーがぐちぐち悩まなくてもいーし!つかここ、ホモ学校で有名じゃん!!」

周り見てみな!!!パーシーに怒鳴られ、はいっ!と周りを見渡すと、皆が一斉に頷いてた。あれ、あそこは手つないでる。あそこはハグして、あそこではちゅー…。

「えっえっいつから!?!?」
「おれたちが入学する前からだよ!!逆になんで知らねえんだよ!!!」

パーシーが怒鳴る。ジョーが横で、「ずっと前にこいつが首元にキスマークむっちゃつけてきたときあったろ、あれ俺だから」なんてさらりと爆弾を落とした。

「ニ、ニカは…?」
「あ?」
「し、知ってた……?」

恐る恐る聞くと、返事の代わりに強烈なでこぴんが帰ってきた。ええええええええ。

「あんまりにもお前が馬鹿すぎるから、ちょっと意識させてやろうと思って首元にバンソーコー貼ったら、まさか避けだすとはな……」
「え、じゃあニカ、彼女いないの…」
「いねーよ。俺はずっと前から誰かさんに夢中なの」
「…え、誰………?」

本気で分からないから聞いたのに、今度も呆れた顔でおれを見下ろしてくる。
近づいてくる指に、またでこぴんされる、と目をつぶって身構えると。

「―――っ!?」

思い切り唇に噛みつかれ、反動で口を開けると、舌がねじ込まれる。
さっきのパーシーとジョーよりも濃厚で長いキスをされ、解放されたときには見事に腰砕けになってニカの胸元にもたれていた。

「お前には言葉よりも行動で示す方が早い」



そう言われてあれよあれよと部屋に連れ込まれ、気づいたら朝になっていた。
残っているのは、口では言えない部分の痛みと、掠れた声と、あのときとは比べようにもならないほど咲いている、キスマーク。


「体に証明する方がはええだろ」


それと隣で笑う、元友人、現恋人。



おわり


めっちゃくちゃやで!!!
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