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―――――どうしよう。


「なあ、ヒトしらね?」
「知らねえ」


――――おれを探してる。やべえ。


「ヒトは?」
「あー、あっち行ったぞ」
「サンキュ」


――――しばらくはほっといてって言ったのに…。


「なに、喧嘩?」
「…あ゛?」
「きれんなって…」


―――――むっちゃ怒ってんの!?まじで!?
ぶちぎれたニカとかしゃれにならないくらい怖いから、まだしばらくは隠れてよ……。





おれとニカは、入学してからすぐに仲良くなった。
それからパーシーとジョーと4人でつるむようになった。
ニカこと仁科(にしな)は、身長が高くて金髪のイケメン。パーシーこと林は元気少年で、ジョーは名前をカタカナっぽくゆってるだけの、凶悪顔。
んでトミーこと人見(ひとみ)って名前のおれ。なんかノリで外人っぽくゆったらはまっちゃった。ちなみにニカはふつうにおれが読み間違えた。あのときのニカの「お前馬鹿だろ」っていう冷たい目がいまだに忘れられない!


4人だから、自然と二つに分かれる。
おれはニカと一緒にいることが多くなった。
いっつもぼけぼけのおれを呆れながらも的確につっこんでくれるニカ。
いいコンビだなーおれたちーと思ってたある日、パーシーの首元に、男子ならだれもが憧れる(?)魅惑のマークがついていた…。


「パーシー、キ、キスマークですかコレ!!!」
「トミー!!声でけえええ!!!」
「いやお前のがでけえから」

ぎゃーぎゃーと指をさして叫んだおれに、真っ赤になってさらに大きな声で叫び返すパーシー。ジョーが冷静にそれにつっこむ。

「パーシーお前彼女いたの…?」
「いや、だってここ…」
「?」
「……なんも」

まじかー。パーシーが彼女いたなんておれ知らなかった…。
ちらりとほかの二人を見ると、ニカがにやにやしながらジョーを見てた。なんで?

「えーえー、年上?!年下!?」
「………同い年だけど」
「えーえータメかよー!!」

いいなーいいなー。おれも彼女欲しいー!全寮制だから外出る機会なかったしなー。
誰かいい子いないかなー。
パーシーの首元、びっしりついてるし、相当激しい女の子なんだなあ。
ていうか今気づいたけど、おれら全然お互いの恋の話とかしたことないわ。

「そういやニカって、彼女いるのー?」
「はあ?」

そういうと3人に呆れた顔で見られた。なんで?


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