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お姫様抱っこで進んでいると、たまに移動中なのかぎょっとして二度見をしてくる生徒や教師とがいるが、それには全く気にも留めず自室に連れ込む。
ぎゅう、と回された手にご満悦ながらも、ベッドの上にゆっくりとチロを下す。
が、チロの手が首元から離れない。顔を覗き込むと、すう、と眠っていた。

今日は午後からしか授業ないよな、と思いながら、にやける顔をそのままに、隣に寝転ぶとチロの腕をゆっくりと離し、かわりに自分の体に密着させた。


目が覚めたとき、先に起きていた黒崎の顔が視界いっぱいに広がった。

「あ、起きたか?」
「わ、センセっ!」

ばくばくとうるさい心臓に、驚かせたか?と笑いながら、ほら、と冷たい水を差しだされる。
飲むために体を起き上がらせようとすると、手で制される。
そのまま黒崎が持っていたペットボトルの水を自分で飲むと、そのままチロの口をふさぐ。

「ん、ふぁ…」

こく、んと生ぬるくなった水を飲みこむ。
水はなくなったのにもかかわらず離れていかない黒崎に、チロは何が何だかわからないと軽いパニック状態になる。抵抗しようと黒崎の髪の毛に手を絡ませるが、それがねだっているみたいで、今度はそのままチロの舌を絡めると、歯列をなぞったりとおよそ病人にやるものではないほど熱いディープキスを繰り返した。

「はあ、はあ…っ」
「舌、熱いな。もっかい冷やすか」
「…ぇ?」

そしてもう一度水を含み、今度は素早く舌を絡められる。
口を開けてしまったので、首筋に水が伝って冷たいのに、それを気にもせず黒崎はチロを押し倒した状態で、自分勝手に動く。
冷たい舌が冷やすようにチロの熱い咥内をかき乱し、舌にも執念に絡めつく。
こんなに激しいキスをされるのは初めてで、さらに頭が燃え上がるように熱くなったチロは、そのまま気絶した。


「やべー、やりすぎた」

いきなり抵抗しなくなったチロを不思議に思い、キスをやめると、そこには気持ちよさそうにすうすうと眠っているチロがいた。

「気絶とか…」

だけどチロを見るとどんどんあふれ出る欲求に、気絶してくれた方がよかったかもな、と自嘲気味に笑った。
キスしてもし足りないし、舌を絡めても満足できない。

時計を見るとあと20分ほどで授業が始まる時間だったので、名残惜しいながら書き留めをして、その場を離れた。
首筋には数多くのキスマークを残して。

「あーあ、俺も大概溺れてんね」


end





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