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「おーら、高い高ーい」
「あははっ、たのしー!」

184センチの黒崎の肩に乗りはしゃぐ、157センチ。
はたから見れば謎な光景だが、黒崎は今の自分の体勢にとても満足していた。

(くそかわいいな…)

にやにやと顔を見られないことをいいことに、井上や架月が見たらドン引きしそうなエロ親父的な顔をして、しっかり千紘の足をつかんで歩く。

「届いたか?」
「うんっ!!」

頭上できゃっきゃと遊ぶ千紘。
かわいいと思いつつ、生粋のいたずらっ子である黒崎は。

「チロー、そのままゴールつかんどけ」
「?うん」
「絶対離すなよ?」
「え?」

そして、千紘の両足を自分の肩から下ろした。

「ふ、ふわあああああ!!!!!」
「おー、喜ぶなよチロー」
「やだ怖いよ馬鹿センセ!!」

ぶらぶらと足を四方八方に動かし必死にもがく千紘。その眼は涙目である。
すぐ下に黒崎がいるので千紘が落ちても絶対に受け止めるし大丈夫だ、と黒崎は笑っていたが、千紘はパニック状態でそれどころじゃない。

それから2分ほどして解放されたときは、千紘は本格的に泣いていた。
それを黒崎が腕の中に閉じ込めてあやすと、泣き疲れたのかそのままぐっすり眠ってしまった。
赤くなった目元や涙の跡にちょっぴり罪悪感を覚えた黒崎は、いつもなら意識のない千紘に好き勝手していたが、今日はそのまま自室に連れ込みベッドで一緒に眠るだけにしておいた。

「センセの馬鹿!!きらいだもん!!」
「…」

振出しに戻る。


end




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