小学生のときやったよね。


「…真白ってさ」
「はい?」

約束の木曜日。
真白の配慮で人が来ない状態にした図書館で、二人で黙々と向かい合って本を読んでいるとき。
真白おすすめの本を読んでいるとき、ふと疑問に思ったことを口にする。
本に集中するタイプだと思っていたから、この問いかけに返事が返ってきたことに内心驚く響汰。

「ちょっと集中力が切れちゃいました」

えへへ、と照れ笑いする真白に内心お祭り騒ぎの響汰。

「どうしましたか?」

続きを促す真白の視線に、ああ、と続ける。

「お前、誕生日って冬だよな」
「へ?はい」
「なのに苗字は春だな。霞って」

素朴な疑問を響汰がつぶやくと、がーんとショックを受ける真白。

「そ、それ僕の結構なコンプレックスです…」

まさかの地雷を踏んだ響汰。
見るからに落ち込む真白にやばいとは思うけど、気の利いた言葉が何も出てこない。

「…会長は、椿だから冬ですね」
「あ?あ、ああ」

椿は冬に咲く花だから。

「……椿、真白」
「―――っ!」
「これだったら、ちょうどいい……ふぁっ!!」

にこにこ、と名案だと笑顔で顔を上げた真白は、自分が言った発言を思い返し、奇声を上げる。
響汰の頭の中では、ウエディングドレス姿の真白の後ろでリンゴーンと鐘が鳴っている光景が浮かんでいた。

「…夫婦みたいですねー」

えへへ、と照れるように呟いた真白に。
たまらず響汰は、机から身を乗り出して、抱きしめた。

「か、かいちょ…!?」
「…お前、ほんと、やべえ」


end


ピュアすぎる!!!!
かゆい!全身がかゆい!!



[ 5/9 ]

← →

[mokuji]

×
「#年下攻め」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -