来栖と呉哉


おひめさまを頂戴。
副会長と真白の友達のお話。

「はうー、かっこいいー…」
「誰かかっこいい人いたの?」
「うんーっ!陸上部のこのセンパイ、かっこいいよねぇ」
「そうだねー」

東海林来栖(しょうじ・くるす)は自他共に認める美形好きである。
校内のイケメンの情報はすべてチェック済みである。その中には教師や、また中等部の生徒も含まれているというから驚きである。

「あ、でもイケメンなら誰でもいいってゆービッチじゃないしぃ、やっぱ付き合うなら僕のことちょー大切してくれる性格イケメンがいいよねぇ」

これが来栖の信条であるため、イケメン好きと言っても陰口をたたかれることなく、むしろ微笑ましく見られている。現在のお気に入りは、決して噂になるほど顔が整っているわけではないが、性格とノリの良さで人気者の陸上部の先輩である。

「あーん、副会長の親衛隊なんて入るんじゃなかったなぁー」

副会長、如月呉哉(きさらぎ・くれや)の親衛隊長を務めている来栖。
彼の顔面は本当に来栖のタイプそのものだったが、いかんせん性格が良くなかった。

「てゆーか僕遊び人嫌いだしぃ。真白もそーゆーやつにひっかかっちゃだめだよ!」
「う、うん…?」

いきなし話を振られて戸惑う真白をよそに、窓の外でまたセンパイウォッチングを始める来栖。

「センパイの親衛隊とか作りたいなぁー、やめちゃおっかなーもう」





「だってさ、呉哉」
「くくっ、馬鹿だなぁ来栖は。もうだいぶ前から遊びなんかやめてるっつーの」

でもそれ言ったら警戒されるから言わないだけで。
いつでも捕獲準備はできてるのになぁ。
ペロリと舌なめずりをする呉哉に、会長専用の席でため息をつく響汰。

「あいつに気に入られるなんて最悪だな」


end

真白がかかわらないと響汰はまとも。
わたくし肉食獣が好きなんですけども。小動物が追い詰められるの大好きなんですけども。



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