∴ 2 「え……どういうこと、ですか?」 「もうあっちにかまってるよりも、統臥たちの恋の方が気になって気になって……」 「……」 「デート中も上の空でさ、何回か喧嘩しちゃったし」 「えええ!!!じゃあ、隊長って会長と時任さまのために、別れたんですか!?」 「ため、って言うか…なんかもうどうでもよくなっちゃってさあー」 あっけらかんと言う陽摘に唖然とする親衛隊たち。 「いつ、別れてしまったんですか…?」 「え、今?」 「い、今!?!?!?」 またしても言われる驚愕の事実。 「え、あっちは了承したんですか…っ!?」 「してないよー。一方的にだもん」 「それって別れたことにはならないんじゃ…」 と言った矢先に鳴る陽摘の携帯。 「うわ、尊(みこと)からだ」 尊、とは陽摘の年上のヤリチン彼氏である。 そのまま放置しようとお菓子に手を伸ばした陽摘にぎょっとした隊員が、慌てて座っている陽摘に後ろから飛びかかって抱きつくと、 「隊長お菓子禁止です!電話出てー!!!」 そのまま勝手にボタンを押し、耳元に押し当ててくる。「ちょっと…!」 「陽摘?」 「……尊」 そこからは、隊員たちも驚くほどの陽摘の演技が始まった。 |