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今日また×ひとつ。さて今日で今月いくつ目の×なんだろう、数えてみたらそこまででもなかった。この×というのは俺がシズちゃんに会った日につける×であって、それ以外の何でもない。むやみやたらと付けられるでもないそのしるしは俺に付けられることを待ち望んでいるだろうか、「ばっかみたい」それしか言うこともなかった。

いまこの瞬間でシズちゃんは何人の自分を愛してくれる人と出会っただろうか。そんで今までいくつ×付いたかな?俺の×は真っ黒でテキトーな×かもね、真っ赤な×はなんかやだね。

「×付くかなあ」
少しだけ外出する度思うけど、こころに×が付いてほしい自分がいるのかもしれない。かもしれない。手のひらの横についた汚れを消すのを楽しんでいる自分がいるのかもしれない。かもしれない。油性だからさ、消えにくいんだよねどうにかしてよねえほらシズちゃん。
そういえばペンが切れてたなあ、と思い出して買いに行くことに決めた。決めちゃった。さて行こっかペン買いに。


「油性でいっか」


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