失墜 彼はやっかいな存在だった。俺が行動を起こせば殺すなんて物騒な言葉ばっかり使ってそこまで君、俺が嫌い?「大っ嫌いだ」あっそ、そうなんだ。でもいいよ、君が俺を嫌いだって、気にならない 「じゃあさ、こういうのはどう?」 俺たちがひとつになってみるんだ 距離を無くす。0ミリ。直接的に無くすわけだ、繋がろう。けれど心の距離は?測れない。それ程までに俺は取り返しのつかないことをして、でも取り返そうとしない。だってどうだっていいから。 「愛されないなら」 俺は繋がりたがりで、彼以上にやっかいなのかもしれなかった。繋がりたくて繋がりたくてたまらなかった。彼が何より憎くて大嫌いな俺と繋がるという姿はまったく予想もつかないし浮かばない光景で、すごくおかしかった、ついでに彼の苦痛に歪む顔は面白そうだなって思った。悔しいでしょ憎いでしょ。そうだ、それでいいんだよ。俺と君は愛し合わないし愛せない。そんなのと繋がるなんて吐き気がする!でもそんな俺たちだからさ、 「落ちちゃえばいーよ」 ひどいことばと優しいことばを合わせて突き落とす。自分で言うのもなんだけどやな奴だなあ。でもさ、こうでもしなきゃ君なんて愛されるどころか繋がれやしないんだ だから俺が君を落としてあげる。落ちて落ちて、俺以外愛せなくなるまで、何回だって 「愛してあげる」 だから君も俺を愛してよ、お願いだから [*前] | [次#] ページ: |