獏良 了の言い分:
だってそうだろう?僕自体が名無しの悲しみなのならば、多分消えたほうが地球に優しいし。名無しが悲しむ事はとても美しい事だよ。それについてなら、何も言う事は無い。
でも僕疲れちゃった。どんなことがあっても、例えば君が僕との未来を諦めて別の人間と生きていく事が現実になったとしても、僕には君と僕との愛を語らった記憶が永遠にあるのだから、それだけでやっていけると思っていたんだよ。そしてそれは本当だった。過去形だ。
僕には無理です。駄目なんです。僕は駄目な子なんです名無しと違って出来が悪いんです最初からそうだったんです。だから天音は死んだしバクラにも捨てられたのです。もう駄目なんですよ。辛いんです心臓が痛いのです。名無し、大好きだよ。君だけが僕を無条件に愛してくれると言ったよ。それはこれからも変わらないだろう。僕が死んでいる限り、君は僕に幻想を抱き続けるんだ。大好きだ。信じてあげられなくて、御免。御免なさい。君で自慰した僕を赦せ。
嗚呼ほらね愛など矛盾が多すぎる。だって僕等結ばれない。僕等はいけないんだ名無し。分かってね。そして永眠も許して。


僕の肉体は恐ろしいほど柔らかで、赤いナイフとの相性は抜群みたいだった。ほら、見て、僕の血を見てよ、名無し。血ってケチャップみたいだよね、僕のこの血でオムライスを作って、そして君がそれを食べてよ。食べてほしい。僕を食べてほしい。存在以前に戻りたい。僕を君の体内に残して。お願いだから、残さず食べてね。




獏良 名無しの言い分:
私は絶対認めない。了が自殺するですって、悪い冗談はやめなさいよ。何を勘違いしてるのかは知らないけれど、私、了がいないと駄目なのに。了が産み落とされたその時から私は了を知っていたし了の見るもの感じるもの全てを吸収してきた私は了の全てを知っていたはずなのに。この薄汚い現世で了という美しく純な存在に触れる事が許されてそれは私の唯一の幸福だったのに、なのに。了は違ったのだ。了は私の事なんか眼中になかったのだね。了はバクラのことを愛していたの?私より大人で、私より子供で、私より悲しみを背負っていて、私より世間のことを知っていて、私より可哀相な、私より恵まれない、私より素敵な、あいつを選んだんでしょう!私は地位も名誉もお金もパパもママも友達もいらないのに。了が誰のことを愛してたって構わないのに。了が隣にあれば私はそれでいいのだよ。それでもあわよくば二人だけの世界に行ってみたいとか思うの。二人で一つになりたいとかも思うの。だってそれって素敵じゃない!血縁なんかに縛られず、離れることなんて無いのだから。
でもそれって結局、この宇宙の理に適わない事なの気付いたわ。だから寿命を迎えるまで、ただ生きていて欲しいの。それで二人で死んで、どこか誰も知らない世界へ行きましょう。了しか愛せないのに、私から了を奪わないで頂戴、了。




獏良 了の最期:
(そうだ、二人で別の世界へ行こうか。花と草木の生い茂る、エデンのような世界へ行こう。二人でそこで過ごすんだ、終わりなんかないんだよ。素敵だね、僕等を隔てるものはもう何も無くなるんだから。でも、どうやって行けるかな?名無し、知ってる?知ってるんだったら、地図を描いてください。なるべく詳しく、丁寧に、迷わないような地図を描いてください。僕はそこで、君が来るまで、ずっと待っていますから。)

嗚呼お姉さま愛している。




僕と修道女




※リメイク
090711
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