偽りだらけの俺の人生の中でただ確かな真実は、君を愛していたということだけでした。
母さんが俺を捨てて父さんが俺を犯した日、咲いていた花はきっと君だったんだね。

ほら、君が俺の性器を咥えている。
だから全ての嘘は許されるね。気狂いの君を正義の俺が救って見せようか。腐れてる奴らの中で君を見つけたんだから、それくらい当然のことだけど。

「や、め…げホッ……ッ…ゆ…遊城く、やめってっ…ゴぼッ…ォえ…」
「名無しさん俺のチンポおいしい?ねえおいしい?それとも苦しい?苦しかったら噛みちぎってもいいんだからね。」
「…ゴホッ…ん…グェッ…グッ…ォエェッ」
「あっ…はぁぁ名無しさん優しいね…あーいきそー。やべー。苦しんでるとこも超可愛い。精子出していい?」
「…んんっん…んっグッ…ひゃめへ…オッェ…」
「あーいくよ。いく。イクイク。イク。出すよ。名無しさんの口の中に俺のザーメン出すよ、いっぱい出すから、ああああああああァァァァあゝ嗚呼あぁッッあっあっ あっ はっぁ…あぁ……」

彼女を組み敷いていた体をどける。俺の精子を口の端に垂れ流しながら泣いているその顔をそっとそっと優しく撫でた。

世界は腐れているから名無しさんは俺の事を受け入れるべきなんだよな。だって名無しさんは優しいから。俺の母さんになって欲しいんだ。

「名無しさん俺の母さんになってくれる?」
「…はっ…はぁッ…ゲホッ…ゴホッ…」
「ねえ俺が名無しさんのおとーさんになるから。だから俺の母さんになって。お願い。」
「………あんたほんっと最悪…ゲホッ…おェ…」

寒中水泳がしたい。俺は、疲れ果てて無理な抵抗をしなくなった彼女の体を抱え浜辺へ歩いた。

殺してやると思ったことはないですよ。今まで一度も。だって母さんがよぉく言っていたからな。
俺は正義でヒーローだから、母さんと父さんの言いつけをよく守らなきゃいけないんだ。俺はヒーローなんだから。そしたら二人が迎えに来てくれるんだ。そしたらこんな島からとっとと抜け出してやる。でもみんな、すごく優しかったけど。

ぴちゃん、チャプチャプ、チャプン。

「…寒い」
「だろうな。俺もすごく寒いよ。」
「水、冷たい。浜に戻って。」
「…名無しさんは、あったかい。」

夜の海に二人沈んでいけたら幸せです。俺の腕の中でどんどん冷えていく名無しさんも、海に還って、また一緒に子宮からやり直しましょう。

俺の間違いは君の間違いでもあるんだから。

水中で君の首を締めた。ドス青い世界に二人、沈みながら引き摺り込まれて行く。

君を今殺している、愚かで狂った阿呆の俺を、最後に君は水の中、抱きしめてくれたけれど。

偽りだらけの俺の人生の中でただ確かな真実は、君を愛していたということだけでした。
母さんが俺を捨てて父さんが俺を犯した日、咲いていた花はきっと君だったんだね。



青の世界 14.10.7
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