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- ナノ -
(トリプルチェンジャー、男性)
若干おほもさんぽい


暇だなあ、とぽつりと呟いた。目の前の一回り小さい友人は、ひとの手をおもちゃにして暇を潰している。

『サイドスワイプー』

間延びした声で彼を呼べば、なんだあと彼もまたのんびりとした声音で返答を寄越した。

『お前、それ楽しいか?』
『んんー』

今度の返答は曖昧な相槌で、暇だなあと再度呟いた。
二人だらだらとしているのにはそれ程理由はなく、今回出動したディセプティコン討伐にただ連れていってもらえなかったというだけだ。というのもこの間うっかり喧嘩して、サイドスワイプがラチェットの世話になったためで、怪我も完治していないのだから留守番を頼むと言われたのが強いての理由であるだろうか。
しかしながらじっとしていられないサイドスワイプの性分を考慮したのか、喧嘩をしていた片割れにも留守番が言い渡され、自分は今、こうして暇を満喫しているというわけだ。

『サイドスワイプ』

何がそうも楽しいのか、手を離さないサイドスワイプのおかげで自分は酷く暇であり、ふうとわざとらしく排気してみるが効果はない。
基地の中を走り回るぐらいなら許可を貰えそうなものなのに、何故ここでじっと手を弄られなきゃならないのか。
ああ、暇だ。
ぼんやりと空を見上げて、いっそ空に逃げるかと目の前の友人にアイセンサーを戻し、かちりと目が合った。

『あ……何?』

カシンとアイセンサーを瞬かせ、真意を問えば、にっと彼は笑顔を見せる。

『俺はお前といるだけで楽しいぜ!』

ぎゅる、とブレインサーキットが不可解な音を上げ、促されるままに大きく排気した。