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◎孫と


大きな身体のその人を目の前にして、私の心臓は大暴れだった。だって生のお館様。政宗に拾われてから、何度か幸村や佐助とは接触していたけれど、今まで何故かお館様とは会えなかったのだ。それが今日、漸く会えた。興奮しない方がおかしいに決まっている。ああ、あのモフモフを全身で体感したい。あの鍛え上げられた肉厚な筋肉にダイブしたい。ヤバい。お館様ヤバい。
そんな事をおくびにも出さず、小十郎に叩き込まれた挨拶を述べる。少し後ろで様子を見ていた伊達政宗とその従者、片倉小十郎はほっと息を吐いた。すこしぎこちないが、きちんと教えた通りに出来ていたためだ。後で褒めてやろう、と政宗は心中で呟いた。

一方上座に座る武田信玄は、愉快そうに目を細める。お主の事はよく聞いておる。そう声を発した信玄は、未だ緊張の面持ちの天女に笑い声を上げた。
「楽にして良い、天の女よ」
いつまでもその態度では辛いだろうと付け加えると、彼女はほっとした表情で少しばかり居住まいを崩した。
彼女の後方に座する保護者の一人は、顔に手を宛てた。
「まだ名乗ってはおらなんだな。わしの名は知っておるだろうが、武田信玄じゃ。そうそう、天の女よ。紹介しよう」
すっと左隣りに手を広げると、深紅の羽織りをそのままに、青年が姿を表した。
「ご紹介に与りました、武田信玄が孫、武田信勝と申します」

目の前に現れた黒髪の男性に私の頭は混乱していた。なに、だれ、お館様の孫? BASARAには出て来なかったはずだ。こんな大きい孫? お館様はいったい何歳だ。違う、そんなことじゃない。あれは誰だ? 知らない。あんなキャラクター、私は、知らない。



あれっ方向性間違えたぽいぞ〜!
逆ハーレム天女様と傍観孫の話の筈が純粋な天女様と接触孫に……なんてこと


06/19 00:11


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