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◎幼児化逆トリ忍組


「お前達、留守番すら出来ねーのか」
喧嘩したんだろう三人の子供は、散らかったリビングで俺に正座させられていた。フローリングの上に小さな身体では酷だと自分でも思うのだが、彼らは元々大人だと言い張るのだから、少し心を鬼にしてもいいだろう。
「何度言っても聞かない様だから、俺なりにお前達への罰を考えてみた」
これでも三人の自称忍者を養って来た。この三人も自称大人で自称忍者だ。嫌がる事はよく知っている。
「丁度俺の家は一軒家で、周りに文句を言って来る様なお隣さんは居ない。そこでだ。お前達にはこのサンダルを履いてもらう」
ちょっと蛍光色の入った派手めのサンダルは、家の電気を反射する。自分でも見知ったキャラクターの顔がでかでかとプリントされ、靴底を押すとぴこぴこと音が鳴る。ピヨピヨサンダルだ。
これが外用、これが中用、と彼らの前に並べてやると、物凄い顔をされた。死刑を宣告されたドラマの俳優の様だ。
「足を出せ、佐助」
「や、やだ! しのびになんてもんはかせようとすんの!? おれさまぜーったいやだ!」
「はいはい、忍べなくなっちゃうなあ。でも言う事聞かない悪い子の言う事は聞きませーん」
「や、やだーっ!」

散々暴れ回る三人の子供にしっかりと屋内用ピヨピヨサンダルを履かせた自分は、仕事を完遂した気分で戸惑いまくっている三人を眺めた。
歩く度にぷあぺあと気の抜ける音を出す履き物に、一々びくつく奴らが面白い。
「これでまた喧嘩したら今度はなにしてやろ……」
考えを巡らしつつ、実現しなければ良いなと思う。
まあ、多分、それも実現する事になるんだろうと頭をかいた。飯にするか。



ピヨピヨサンダル履いてる忍組の忍べなさ具合よ


06/14 10:16


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