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◎武田孫ねた


犬塚煤竹→無所属のおしのび。というよりは若専用のおしのび。ただし戦忍業は苦手である

緑と黒の忍びが目の前で歪み合うのを見るのは、一体これで何度目だろうか。緑の忍びの主は、視線を此方と二人へ行ったり来たりさせており、何度か珍しく小さな声で忍びの名前を呼んでいる。しかし、歪み合う二人にその声は聞こえないらしかった。ため息を吐く。
「良い加減にしないか。名前に犬、猿と付くからと、何も歪み合わずとも良かろう」
「ですが、若! このクソ猿は若の前でもへらへらとした態度を崩さず! 無礼では御座いませんか!」
「ちょっとちょっと、言い掛かりはやめてくんない! あんたみたいなバカ犬とは違って、若にはちゃーんと了承貰ってあるの! ね、若!」
「……ん、そうだったか? 気にしてもいなかったな……忍びなぞ裏切らず仕事が出来さえすればなんだって構わん」
「えーっ! 若それちょっと酷くなーい?」
「クソ猿は黙ってろ! 流石は若、そうです、その線引きこそが従来の主たる姿!」
「煤竹」
「……すみません」
「ああ、真田。呼び出したのに済まなかったな……」



比較的お優しい若君しか書けないくやしみ


06/10 19:17


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