◎元親妹 「なまえ!」 品の良い刺繍の施された、薄紫の紬を着た少女が振り向く。彼女の銀髪がきらきらと陽光を反射し、紫のギヤマンのような瞳が驚きの色を溶かす。 「兄様、」 「やっと、見つけた……!」 彼女の細い腕を掴んで、抱き寄せた。記憶の中の彼女は、もっと小さい。 彼女の前を歩いていた男を睨む。この男だ。この男が、大事な妹を奪って行った。 少女は困惑の表情を隠さず、自分を抱き締める男と、愉快そうに笑う背に立つ男を交互に見る。 「なまえ、いつまでそうしているつもりかね」 声を掛けられてはっとする。力を込めて両腕を突っ張ると、いとも簡単に腕から抜け出せた。おじさま、と彼の方に手を伸ばすが、ぐんと反対の腕を引かれてそれ以上彼に近づく事が出来なかった。 目の前の彼は、不愉快そうに顔を歪める。 「そっちに行くんじゃねえ!」 腕を掴んでいるのは自分の兄で、何かの痛みを耐えるような表情で少女を見ていたが、再度男を睨む。 少女は兄から逃れようと腕を引くがびくともせず、助けを求める様に、兄と相対する男へ視線を投げる。 男と女、屈強な男性と華奢な少女、少女が逃げられないのも当然だった。それを理解して、兄妹の前に立つ男、松永久秀は眉間に皺を寄せる。 「兄様、離して、お願い、おじさま、おじさま!」 少女の自由な方の手は松永に伸び、彼にすがる様に宙を掻く。それを見て苦虫を噛み潰したのは兄の長曾我部元親だった。 ◆ 修羅場 →続きをどうするかわからなくなり強制終了 火薬を撒き散らす松永さんとか、ちょっとばかり焦る松永さんとか考えたけどこれ多分どちらにせよ風魔さんが横入りするやつ 縁側で茶をしばくとか膝だっことか書きたい→平和すぎる松永軍 06/05 14:10 mae top tugi |