◎松永 銀髪の少女は身の丈程の太刀を軽々と振り、敗走する兵士達を切り払った。 地面には斬撃を見せ付ける様に、弧を描いた焼け跡が残る。 迷いの無い、無慈悲な少女の後を追いながら、男はふっと息をはいた。彼女を戦場に連れ出し、この状況を作ったのは他でも無い自分であるのに、少しばかり残念に思っていた。何も知らぬ、可憐な花のままでも良かったかもしれない。棘を持った花も、それはそれで愛らしいが。 「ところでおじさま、今日は一体何を貰うの?」 少女の銀は陽光できらきらと輝き、宝石の様に透きとおった紫の目がこちらを見た。 陶器の如く美しい白い肌、それ等の為に用意した薄紫の着物に散る赤を認めて、眉間に皺が寄るのを感じた。 「卿は知らなくても良い事だ。それより」 彼女に歩み寄り、白い頬に飛ぶ赤を指で擦るように拭って、そのまま頬をするりと撫でる。嬉しげに頬を染め、目を細める少女に、こちらもゆるりと笑みが浮かぶ。 「あまり血を浴びないようにしなさい。いいね、なまえ」 「はい、久秀さま」 ◆ 元親妹と久秀さんの戦場いちゃこら 二人とも歩くモーションじゃねーかと思っている。 戦場をあたかも庭で散歩する如くに優雅に歩く松永さんが大好きです 06/05 13:17 mae top tugi |