◎twst×創作 ![]() ※未プレイ 「……大事無いな」 風で翻るブレザーの下に見える、ベストは臙脂色をしていた。彼は、今しがたこちらへ飛んできた魔法を弾いてくれた恩人であった。 「にゃあ、済まん!手元が狂った!」 こちらへ駆けてくる一人は黄緑、もう一人は水色のベストだった。 「ごめんね、人が通ると思っていなかったから」 三人ともが、緑がかった黒髪に、黄色く見える目をしている。親戚、だろうか。 「……もしやお前さん、監督生か?」 黄緑のベストの人が此方を覗き込み、そう言った。水色のベストの人は、その間に自分を立たせてくれる。 「あ、はい、そうです」 「本当に悪い事をした!ウチのが間に入らねば当たっていたな……何か詫びをやろう、と言っても……手持ちが無いな。お前達は何か持ってないか」 「うーん、流石に無いね」 「……無い」 「使えん奴等だなァ……其れでは監督生、昼の約束などは有るか?」 「いえ、特に約束は……」 「なら……お前さんさえ良ければだが、此のお詫びに昼を馳走させては呉れないか。……然う構えるな、純粋な詫びだよ。損は無かろう?」 ××× 食堂の一角で、改めて三人から名前などを教えてもらった。 やはり三人とも血縁らしく、出身は極東の島という事だ。 NRCの三年生で、ディアソムニアのタイシャクさん、スカラビアのユウセンさん、オクタヴィネルのテンパクさんだ。 その音を聞く限り、きっと彼らの名前には漢字を使うのだろうと思う。もう少し仲良くなれれば教えてもらえるだろうか。 ふっと、遠くにエースとデュース、グリムを見つけた。おおおい、と手を振ってみるが、此方を見るなりエースがげえ、と嫌な顔をして別の場所へ行ってしまった。 「ふ、ふふ、素直だ」 からからとタイシャクさんが笑う。 不思議に思って彼を見れば、ニンマリと此方を見返して来る。 「己達は恐いものだからな」 「こわい、もの?」 「食物連鎖の頂点に居るんだよ」 ××× 龍の化身トリオ 人間も食べるよ 01/14 17:37 mae top tugi |