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◎×キメツ


「どうした若造!目の前の男を殺さにゃあテメエが死ぬぞ、もっと気合い入れろ!」
號と吼えるのは着流し姿の男である。一人と仕合うたびに一匹の鬼を斬る。そういう取り引きで漸くこちらに引き入れた。
閃く刀はごく普通の打刀、いや、少し刀身は長めか。腰に佩く刀はもう一振り、履き物もごく普通の草履である。さらりと揺れる黒髪は、後頭部で髷を結うように一度輪を作って縛っているが、あとはそのまま垂らして風に遊ばせている。目元は涼しく切長で、すっと引かれた眉にやや高めの鼻梁を持った、目を見張る色男。
それが、柱をして勝てない、有明という剣客であった。
ぎん、振った刀を軽く払われ、態勢をを崩したのを狙って剣客の刃が光る。首を刈らんとする一閃。しかし、尻餅をついた子どもに変わって、一人の男が割り込み、刃を防ぐ。
「……一仕合につき一匹の約束だが、これァ二人斬っても一匹か?」
「二匹だ」
「ハハハ、舐めるな」
鍔迫り合いから一転、有明が身を引いた事で行き場を失った力が、男の態勢を崩させた。そのまま前のめりに倒れる男の胸を蹴り上げ、為す術なく男は跳ばされ、地面に落ちて強かに背を打ち付けた。
それを確認し、有明は素早く振り向き、体勢を立て直そうとする子どもに向かって刀を閃かせた。
ばっと、子どもの右肩から血が噴き出す。甲高い悲鳴が響いた。右腕。子どもの右手が地面に触れた。本来なら、触れられるはずのない場所に右手が触れている。落とされたのだ、いとも簡単に。
右腕があったはずの場所を、左腕が押さえようと宙を掻く。傷口に手をやれるほど、子どもは強くなかった。痛みに叫び、試合のはずだと喚き散らす子どもだったが、遂には痛みに呻くだけとなる。涙に濡れる視界の中で、相対する男の冷めた目を見たからだ。
「弱い」
有明の刀がもう一度閃いた。今度こそ、その首を取るために。

鮮やかだった。まるで骨など存在しないかのように、軽い一閃で子の首を刎ねた。背後から迫る、その子を守ろうとした男の剣さえも、軽く弾いて攻撃をいなしている。一仕合につき、一つ。男は言った。つまりは一つの命に対して、一つの命で贖うのだ、と。だからだろう、つまらないと言いたげに男の攻撃を避け、いなし、攻撃に転じないのは。
倒れる子の体、小さく悲鳴を上げたのは同僚の女であろう。チ、と舌打ちしたのは誰だろうか。自分だったかもしれなかった。今、男と対峙する奴が居なければ、あの場にいたのは自分だった。同時に、あの場には入れなかった過去の自分に苛立つ。あの時。あの男の前に立つのが怖いと、恐ろしいと、思ったのだ。思ってしまった。鬼とは違う、あの男への恐怖心。それを振り切って割って入れた同僚への嫉妬。現状の何もかもが不愉快だった。
剣客が何かを呟く。同時に、刀を振り上げる。相対する男の胸から血が吹き、怯む男の肩へ更なる一撃が加えられる。ぼ、と鈍い音がした。奴は体勢を崩して転倒し、そのまま起き上がる気配がない。剣客は己の刀を血払いし、鞘へ戻すと、大きくため息をついた。
「これだけ弱いんじゃなあ……」

×××
鬼殺隊と逸刀流どっちが強いんだ?と思うんですけど、型に縛られる鬼殺隊の方が攻略されそう感じますが、呼吸法や透明な世界が超脳だから五分五分かなとも思います。
いやでも正直なところ私は逸刀流の方が強いと思う、幹部連中は。下っ端たちはみんなダメだ。差ァ


03/19 10:01


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