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◎×キメツ


の導入没

銃声が聞こえなくなった。後ろを振り向くが、ひとの気配もなくなっている。
連れの名前をそれぞれ呼んでみるものの、風が木々をざわめかせるだけに終わった。
江戸城からどれ程の距離を来たのか。土塀を登ったわけではないから、まだ抜け出せていないはずなのだが、どこを向いても木々ばかりで、肝心の江戸城は見えない。追っ手もいないとなれば、自分は完全に逃げおおせてしまったということで、となれば追っ手は全て統主らの元へといってしまったという事になる。戻るか、と暫し思案する。
戻ったところでどうなる。鉄砲一つ二つ程度なら何とかなるが、先ほどの銃声や砕かれた枝や幹の音を考えれば、何挺展開されているのか大凡の検討はついた。引き返すのは自殺行為に等しい。追って来なければ置いていくという取り決めは既にあり、目的地への道も知らないではない。ならば自分はその道を行くべきではないのか。しかし。
戻るか、進むか。銃声はしない、ひとの気配もない。すっと息を吸う。よし。戻ろう。

ウーン 違うな……供養


03/08 01:05


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