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「#幼馴染」のBL小説を読む
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◎ブラックブレット×創作


それは空から降ってきた。大きな音を響かせて、ガストレアを文字通りに踏み潰す。その派手な登場は、警察はもちろん、ガストレア退治を専門とする民警の二人ですらも驚かせた。一体どれほどの圧が加えられたのか、潰れたガストレアの下のコンクリートは、辺りを巻き込み大きく凹んでいる。うわ、と若い男の声がした。ガストレアの肉の中からだ。
「きもちわる、なに、これ」
驚異的な回復能力を持つガストレアにしても、致命傷に至れば死ぬ。最後の足掻きで周囲が回復されていくが、命が失われてしまえば、回復も止まる。
ガストレアの肉をわり裂き、それは姿を現した。体液に塗れてはいるが、それをさほど気にしてはいない様子である。高身長の黒髪の男。編み上げブーツに迷彩のパンツ、上半身は黒のコンプレッションウエアを着用しており、鍛え上げられた肉体が惜しげも無く晒されている。腰には一振り刀が下げられ、右脚には銃が装備されている。一見すれば、どこかの民警のプロモーターのようであった。
であれば、と周囲を警戒するが、一向にイニシエーターの少女の姿が見えない。男はそれを気にする風もなく、空を見上げてから此方を見た。
「それで、君たちはどこの所属?」

「……で、警察に突っ込まれるより先に誤魔化して連れ帰ってきたってわけね。報酬を受け取らず。報酬を、受け取らず!」
烈火の如く怒りを露わにするのは、スタイルの良い黒髪の少女だ。ここ、天童民間警備会社の若き社長、天童木更である。そんな彼女に迫られているのは里見蓮太郎、天童民間警備会社唯一のプロモーター。やむなくこの場に連れてこられた、ツインテールの少女は藍原延寿、無垢の世代と呼ばれる、先の災害後に生まれた少女にして、ガストレアウイルスを体内に宿す呪われた子供達とも呼称される少女。彼女もまた、天童民間警備会社の社員であり、里見蓮太郎のパートナーのイニシエーターでもあった。
今でこそ会社の売り上げの大切さ、自分達の貧乏さについて怒鳴り散らしている彼らであるが、元は蓮太郎が連れてきた、素性の全くわからない薄気味悪い背の高い男について話していた。
かの男の名は雑賀蓮一。連合の一兵士と言っていたが、彼がもたらした情報はそれだけだった。天童木更も心当たりがないようで、軽く調べても全く何も出てこないという。偽名であるかとも疑ったが、本人はこれは本名であると憤慨した。であれば、先の災害よりも前に生まれているはずの男は、戸籍が作られず、生まれてから今まで、公的な機関に擦りもせずに生きてきたということになる。また、彼はかなりの世間知らずでもあった。今現在常識であるはずの事も、殆ど無知であったのだ。しかしながら、ガストレアに動じず対処していたことから、あり得ない推測が立ってしまう。彼は東京エリア、モノリスの外で生活していたのではないか、と。
そこまで考えて木更はふと、彼が倒したというガストレアに意識が向いてしまった。であれば報酬は彼の元に行くのではないか。しかし蓮太郎は我が社の新入といって誤魔化したのだから、私の元にそれがなければおかしい。里見くん、今回の報酬の件なんだけど──。
そうして、今に至る。
「うんうん、喧嘩するほど仲が良い。良き哉」



続きは全く思いつかない


12/19 19:50


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