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「#幼馴染」のBL小説を読む
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◎血界


有り得ぬことも起こり得る街、ヘルサレムズ・ロット。
今宵の街は、
ゾンビに溢れていた。

緊急召集をかけられたライブラの面々は、惜しげも無くその力を発揮する。各所で火が駆け、氷塊が成長し、十字架が乱立され、風が吹き荒れる。銃声が途切れることはなく、人影は現れ消えてを繰り返した。
しかし、ゾンビ達は肉体の一部を削られただけだは動くことをやめず、逃げ遅れた人々を襲い、着実に数を増やしていく。
ライブラの彼らの力は血液に依る。
先頭が長引けば、それだけ消耗していくのは明らかであった。
まだまだ下っ端である、神々の義眼を宿す青年、レオナルド・ウォッチは、それを知るからこそ焦っていた。
何か、何かこの状況を打開できる手はないだろうか、と。しかし、どれだけ頭を回転させても妙案が浮かぶことはない。せめて奴らの動きを止められることができれば。それを考えたところで、ふと、昨日の青年のことを思い出した。超能力者を名乗る彼は、荒れる戦場のもの全ての自由をことごとく縛ったのだ。
だけど、とレオナルドはその考えを即座に打ち消す。彼は超能力者とはいえ一般人である。そもそも現在地すらわからない。またこの状況では、彼もゾンビ達から逃げているに違いなかった。
いや、でも、万が一。
己を守る様に拳を振るうライブラの代表の名を叫べば、彼は此方へと視線を寄越し、何事かと尋ねてくれる。余り良い案ではない。けれどこれが今、自分が提示できる最適解であった。
巨体のゾンビを殴り飛ばし、代表はふむ、と思案する。
「よし、君の案に乗ってみるとしよう」

×××××

続くやつ


07/12 22:04


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