◎光の呼吸 ぺたぺたと眼前にあるその割れた腹筋を触る。 おお、硬い。 何度触っても逞しく硬いその腹筋に感動を覚えながら、ああ、好きだなあとしみじみ思う。 無駄なくつけられた筋肉、引き締まった体。 まるで彫刻のごとく美しい肉体。 私はそれが好きだった。 もちろん、この肉体を持つ男の顔も好きである。 性格などはどうでも良いのだ。 この肉体美を維持してくれる彼が、私はとても好きなのだ。 「お前も好きだなあ」 機嫌が良いと言わんばかりの声が頭上から降ってくる。 彼を見上げて、ふふと笑った。 「かっこいい」 丸く大きめの瞳、太めのきりりとした眉、すっと美しいラインの鼻、薄すぎず厚すぎずのちょうど良い唇、童顔。愛らしい造形の顔。 笑顔が最も似合う彼。 ああ、好きだなと思う。 好みど真ん中の顔、好みど真ん中の体。 最高の造形、最高の人間。 「そうか。それは嬉しいなあ。……なあ」 すっと細められる目。 これだ。これ。彼の唯一の欠点。 腹筋を撫でていた、私のふっくらと丸みを帯びた手を彼が掴み、ゆるりとそれが降下させられていく。全く持って、こればかりは理解できない。 「いつものように、ワシを悦ばせてくれないか」 彼は所謂ショタコンってやつだった。 ◆ 連載しようとしてできなかったやつな 01/14 21:37 mae top tugi |