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「#幼馴染」のBL小説を読む
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◎HQ!! - 澤村?


私には彼氏がいる。
最近できた彼氏だ。向こうから告白してきた。その人は少しだけ有名で、女子からはやはり少しだけ人気がある。体育会系の部活をしていて、穏やかに笑う優しい男だ。名を澤村大地という。
そういう事を友達に言うと、決まって冗談だと笑われる。私もそう思う。冗談だ。そう言えたらどれほど良いか。事実なのだ。澤村大地、バレーボール部の部長。私の恋人枠に収まる男。

「あり得ない、なんで澤村大地が告白してくんの?」
「それな!理解できない。私だよ、こんな女のどこが良いんだよ澤村大地!頼む〜眼科に行ってくれ〜」

友人達と語り合いながら、自分は澤村大地に告白された時を思い出す。あれは忘れ物を教室に取りに戻った帰りだった。確かバレーボール部がお休みの日だったのだと思う。ばったりと校門の所で澤村大地と出くわした。私は部活をやっていないから、普通なら会う事のない人物だ。会釈をして、自宅を目指そうとした時に、声をかけられたんだっけ。曖昧だ。
いつも一緒に登下校する友人を先に帰らせて、1人家路につくはずだったのを、彼が女の子1人は危ないだろうと紳士的な行動をとった。会話が弾むわけもなく、少し居心地の悪い空気からはやく抜け出したかった気持ちだけはよく覚えている。ポツポツと何かを話したが、内容までは覚えていない。確か、そう、大きな別れ道で、ここまでで良いと私が遠慮した時に、君が好きなんだ、どうか恋人同士になってはくれないか、と、いうような告白を受けた、気がする。
彼があまりにも必死だったのか、私があまりにも混乱したのか、気付けば私達は恋人同士。その日から今日まで、一度も彼とは会っていないが。

「ん?これって彼氏っていうのか?」
「連絡とってないの?」
「ないね……」

まあ良いか。あっちは部活で忙しいだろうし、私は私の時間を他人に渡せるほど、余裕はないのだ。

「ねえ、それよりさあ……昨日見付けたんだけど!」


フジョシ彼女とバレー男子


10/18 22:51


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