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◎番犬


ガタン!と椅子を倒し慌てて立ち上がったのは、今や多くの人間から追われる身となっているビジランテ、エイデン・ピアースその人であった。
「なんだ!?どうした!?」
先ほどまで集中していて静かだったものだから、突如隣から上がる音に驚いて自分も腰を浮かした。
「レイモンド……」
慌てた様子から一変、静かな声を出す目の前の男に、ああこれはまた面倒事に巻き込まれる、と確信する。
今も、危険を承知で落ち合っているにはそれなりの訳があるのだが、更に厄介なことが増えそうである。
「家に……強盗が押し入っているようだ」
「は、?」
「娘が危ない」
深刻そうな顔で、しかし冷静な声で状況を説明してくるその男は、握り締めたスマートフォンから目を離すことはない。監視カメラだろう。この男は妹の家にも監視カメラを設置していた。いや、今はそんな事を考えている場合ではないな。
「ちょ、ちょちょ、ちょっと待て!一から説明しろ!お前独身だろ!?」
「ああ」
「娘がいたのが!?」
「色々あったんだ。義理の娘だ」



ウーンかけない


08/14 12:12


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