こどもとおとな | ナノ
※クル→ギロ、タマ→ケロ
「クルル先輩も、よくやってられますよねえ」
「そう言うおまえさんだって、そうだろう」
「いやいや、あのひとほどじゃあ、ありませんもん」
「ほう、まったく振り向かれてないやつの言うことじゃねえなあ」
「そっちだって、あのひと、わかってないじゃあないですか」
「ガキがでかい口叩くんじゃねえよ」
「あなただってあのひとたちから見たらガキでしょう」
「………」
「………」
「…まあいい、おれもおまえさんも、あいつらからしたらまだガキとしか思えないのでは同じことだ」
「そうですねえ…ドロロ先輩がうらやましいです」
「………」
「…あ、そうでしたね。あのひと、惚れてらしたんですっけ」
「…黙っとけ」
「そうなると、あのひとも大変ですね。色恋沙汰には興味なしって感じがしますもん」
「関係ねえな」
「あら、そうですか?」
「なに言ってんだ。ドロ沼先輩、隊長にべったりじゃねえか」
「…そりゃあ、幼なじみだし…」
「さあ、どうだかなあ。隊長も、まんざらでもないんじゃねえの?」
「………」
「………」
「…ていうか、あのひとのどこがすきなんですか?」
「…おまえさんこそ、どうなんだ?」
「………」
「………」
「………」
「………」
こどもとおとな
(ほんとう、どこがすきなんだろう!)
2008.12.03