宣戦布告だ! | ナノ
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4.


リア充爆発しろ。

いや、しおりちゃん可愛いから、このムカつく野郎だけ滅べ。そしたら世界が平和になる。

イライラで見たくなくなってふと視線を逸らせば、近くのテーブルに学生証があった。好奇心から覗いた俺は一瞬で硬直した。

『真木貴紀(まき・たかのり)』

写真はあの野郎のものだ。

しかも、普通は黒歴史になりかねない学生証の写真すら軽く雑誌表紙レベルだ。

さらに、学生証にあった大学名は、

(名門私学、KO大学…)

物理3点の俺なんかじゃ夢にも見れない都内の名門私学。つまり、この野郎はこの顔面で、このスタイルで、こんな気遣いができて、こんなに可愛い女の子を侍らせて、こんな超一流大学に通っている超エリート様だったのである。

まさに、人生勝ち組。

羨ましいとか、すごいとか。

そんな素直な感想はない。ただ、しおりちゃんのあーんでほっかほかのマフィンを食べている野郎に対して思うのは、ただ一つ。

(呪ってやる…!!)

これぞ幽霊のアドバンテージ。

(絶対に幸せにはさせない…!!)

謎に燃え上がる内心。

物理教師が俯いている時を狙って内緒で撮影した写真を現存し、友人家族が経営するコンビニでレジのピってするあれを借り、友人と必死でピっしようとした時よりも燃え上がった。

因みに、深夜の客のいない時間帯だったから問題ない。いや、それはどうでもいいんだ。

完璧男子を目の前にして童貞の魂が燃える。

「うらめしやぁぁあああ!!!!」

ここまでダイナミックに『恨めしや』と叫ぶ幽霊が、いまだかつていただろうか。

「童貞の意地でお前を潰す!!」

その後にしおりちゃんのパンツを見る!

燃え上がった俺は気付かなかった。『恨めしや』と盛大に叫んだ瞬間、あの野郎が一瞬だけ肩を跳ねさせて、俺の方を見たことに。

「宣戦布告だ!」

仁義なき漢の戦いが始まる。

(act.0 prologue 終)
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座右の銘:リア充爆発しろ。
現世への未練:イケメン滅ぼす。