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「#幼馴染」のBL小説を読む
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4.


(それにしても、このタイミングであいつの、…伊瀬の夢を見るなんて…)

深海 伊瀬(ふかみ・いせ)。

彼は俺に情報屋としての全てを教えてくれた師であり、いくつもの死線を共に駆け抜けてきたパートナーであり、そして、俺が殺した親友だった。

もし伊瀬と出会っていなければ今の俺、…情報屋としての俺も、ホストとしての俺も存在しなかったと言いきれる。それほど俺の人生を大きく左右した人であり、恩をくれた人でもあった。

その恩を、…俺は仇で返したのだけれど。

わざとじゃなかった、なんて言い訳で許されるとは思っていない。どれだけ自責したところで、既にこの世にいない伊瀬に届くとも思えない。

(だが、もしも…、)

もしも、この罪を償うチャンスが与えられるなら、

(俺は、)

俺の全てを差し出してもいいって思ってる。

この命を含めて。

今ものうのうと生きているこの命は、本来ならあの時に死ぬはずだった。そして、俺の命と引き換えに死んだ彼は今この瞬間も生きるべきだったのに。

伊瀬にもらったこの命、いずれ返すのが道理だ。俺がこんなことを言ったら、彼は間違いなく怒るだろう。本当に大切にしてくれたから。

だが、思うんだ。

もっと上手い振る舞い方があったんじゃないかって、彼を助ける方法が実は存在していたんじゃないかって。伊瀬の命日である冬の日が来る度に、中指に指輪をして明るい花束を墓前に供える度に。

(なぁ、伊瀬、)

あの時の俺が今くらい強かったら、お前は今でも俺の隣にいてくれたんだろうか。

お前がいなくなって二年が経つ。名指しの依頼が多くなって、依頼料も高くなって、強くなったとはよく言われる。だが、

(俺はまだお前の背中を追いかけてる)

あの頃から前に進めていない気がするんだ。

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目には目を、歯には歯を。
罠には罠をもって制するのが最善だ。