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27.※


今までのあれはなんだったのかと思うほど、俺に触れてくる手付きは優しいものだった。

長い指が中に入れられて今更ながら中の具合を確かめられて、俺が嫌がったり痛がったりする素振りを見せないと分かると慧が入ってくる。

俺の体と言えば悲しいほど素直なものですんなりと奥まで迎え入れては、前も反応する。

空イキとは言え、一度中でイくことに成功してしまえば今度は入れただけでイきそうだ。

ん、と鼻から抜ける声を出せば心配そうに下から見上げてくる。俺が慧の首に手を回しているせいで胸の突起は慧の唇の前にあって、彼はそれを咥えると口内で遊びながら転がした。

「んン…っ、」

突起がピリピリする。

だが、そんなお遊びでは到底満たされるはずもない。それは慧も同じようで、俺が落ち着いたと察すると徐々に腰を突き上げ始めた。

「あっ、ン…、クぁ、あ…、っ、」

「ふっ、は…、皓、好きだ」

俺も好きだ、慧。お前だけが好きだ。

口から漏れ出す喘ぎを言い訳に、言いたいことを言わなかった俺はきっと卑怯だ。

俺を気遣う優しい律動は少しずつ早く、激しくなっていく。だが、乱暴になることはなくて、ただ溶けてしまいそうなほど甘い快感を与えられて、全身の隅々まで幸せが満ちていく。

最奥には無機質な機械なんてない。今俺の中にあって、俺を広げているのは慧だ。

そう思うと、体がさらに敏感になる。

「慧っ、け…い、ッうぁ、」

「あぁ、今、お前を抱いてるのは、っ俺だ」

今、だなんて言わないでほしい。

今夜はハニートラップをするつもりだったが、これからはもうしない。俺をこんな姿にできるのはお前だけだから、今、なんて言うな。

抱く方ももうとっくにやめたし、抱かれるのも後にも先にもお前一人だけだから。

一人しか咥えていないのにこんなに乱れる俺も困ったものだ、と力強い腕に揺さぶられ、奥まで突き上げられながらそう思った。

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目には目を、歯には歯を。
罠には罠をもって制するのが最善だ。