そして、ついに、
「っふ、ぅあ、ぁああああ…ッ」
体が痙攣する。
慧はまだ指を外してくれなくて、俺のものは苦しそうに腫れていても、体は閾値を超えた快楽を開放しようと素直に絶頂を迎えた。
瞬間、脳内に押し寄せる快楽の波。指先まで強烈な快楽が駆け抜ける。だが、行き場はなくて体から力を奪っていくのに、震えは止まらない。頭が真っ白になって思考がとまる。
中が、ぎゅ、と強く締まって、慧が息を呑んだ直後に中で液体が弾ける感覚。
それが中を焼きながら満たしていく感覚、自分の汗が肌を伝う感覚、慧の吐息が首筋を擽る感覚、肌が触れ合う感覚にすら肌が敏感になりすぎて頭が悲鳴を上げている。涙がとまらない。
長い長い絶頂。
いつまで経っても波が引いていかない。
ずっと、ずっとイッているのにローターは震え続けていて、終わらない快楽が強くなった。
体が自分のものじゃなくなるように感じて、カタカタという小さな震えは本格的な怯えた震えになって、嬌声どころか嗚咽になる。頬を伝い降りた大粒の涙が浴槽に落ちて消えていった。
「っぅ、…や、ぁ、」
そこになってようやく慧が声をかけてきた。
「皓?…おい、皓!」
根元から指を離してくれたが、今更出てくるのは勢いをなくした少量の白濁のみで、この怖いほどの絶頂がおさまる気配はなかった。
「大丈夫か?」
大丈夫なわけあるか、ばか。
と答えてやりたいのに言葉が出ない。肩で呼吸するのが精一杯で、何も話せなかった。
そこでやっと異変に気付いた慧が俺の上から引いていく。それと同時に中に入っていたものも抜かれ、絶頂に怯えていた俺は粘膜を擦る感覚と快感にまた声にならない悲鳴を挙げた。
一思いに抜いてくれればいいものを、俺を気遣ってゆっくり抜くものだから余計に長引く。
あぁ、もう気持ちよすぎて苦しい。
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目には目を、歯には歯を。
罠には罠をもって制するのが最善だ。