指とは桁外れの質量。
いくら指やローターで慣らされたとは言え、久々に慧を受け入れた後孔は限界まで広がって、苦しいと悲鳴を挙げていた。
敏感な粘膜を擦りあげる慧のもの。体の中を犯され、意識を溶かそうとする快感に逃げようとした体は、慧に上からのしかかられて動けなくなった。首筋にかかる満足げな熱い吐息。
ピタリとくっついた腰骨から銜えさせられた深さを思い知る。ペロ、と柔らかい舌で耳の裏を舐められて鼻から抜ける声が出た。
「ン、ぁっ、…慧…!!」
「気持ちいいか?」
本当に気持ちいい。
長く待てを強要された後孔は入れられただけでもうイきそうだ。頭が真っ白になって、無意識に俺に覆い被さる慧に甘えるように擦り寄った。
だが、気持ち良ければ良いほど開放されない苦しさは増してきて、それを見透かしたように、クッ、と喉で笑うのが聞こえた。彼は俺の腰を掴みなおすと繋がったまま上半身を起こした。
「好きにイけよ」
そして、律動が開始された。
「ぅ、ぁああ、ッん!」
容赦なく中を擦り上げられる。
体温が一気に上がって、中の僅かな隙間すら満たそうとするような慧の先走りが焼き付くように熱い。パン、パン、と打ち付ける音が浴室に響く度に中の液体が溢れて、泡立っていく。
最奥に入っているローターは慧がしこりを抉る度にさらに深く潜り込んで、舐めるように中を撫でる。その振動がしこりを押し潰して涙目になったが、とまってくれる気配はなかった。
「ひっ、ぁあ、はァ…、っ、ゃ…!」
酸素が欲しくて口を開けたのに、喘がされるばかりで自分の体すら制御できなかった。
だが、それだけでは終わらなくて、慧は俺がまだ中だけの刺激で達することができないと知っているのに、前を触ろうとしてくれない。
前は痛いくらいに張り詰めて、ぐちゃぐちゃに濡れているのに刺激がもらえない。腹にくっつきそうな俺のものは少しの快楽で足りるのに、その少しを与えてくれる気はないらしい。
「イきた…、っ、は、」
「イけって。後ろだけで、な」
「んっ、無理だ!」
「そうなるように躾てやる」
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目には目を、歯には歯を。
罠には罠をもって制するのが最善だ。