シャワーが止められた。
シュ、と短い音と共に俺の手首を拘束していたネクタイが解かれ、力の入らない俺はそのままへたり込んでしまった。その拍子にローターが前立腺を抉って、体が一度大きく震えた。
目線を合わせるように慧がしゃがむ。
見下ろされるのはまるで睨まれているようで、肉食獣に睨み据えられた小動物ってこんな気持ちなんだ、と場違いに思った。そして、指で顎をクイッと上げて強制的に目を合わせさせられる。
「お前は俺のなんだよ」
親指が俺の下唇をなぞる。
「それが分かるまで躾てやる」
ビクッ、と体に緊張が走った。
だが、俺には逃げる力も選択肢もなくて、抵抗もできずに慧にひっくり返されてしまった。浴槽の中で滑らないように縁にしがみついた途端、腰を強く鷲掴みにされて、ピタリと硬くて熱いものが後孔に当てられるのを感じた。
「待て、まだ中に、」
「お仕置きだって言ったよな?」
「あ、待ッ、…慧、…ぁああぁあっ!!」
ローターへの考慮なんて全くない。
大きく足を開かされ、俺は慧のものを根元まで咥えさせられた。久々の質量が苦しくて、なのに、容赦なく押し上げられたローターはさらに奥に潜り込んで強く震え続けていた。
背後から満足げに息を吐くのが聞こえる。ぴったりと慧の腰の骨がくっつくのを感じる。
慧は優しい手付きで俺の頭を撫でてくれたが、許してくれそうな雰囲気はなかった。ヴヴヴヴ、とくぐもった鈍い音が聞こえる。
「ふ、…深っ、ンァう、ひぁ、あ…!!」
「トんでもいいぜ?」
ニヤリ、と背後で笑った気配がした。
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目には目を、歯には歯を。
罠には罠をもって制するのが最善だ。