もういいだろう。
核心の情報に迫っても。
雰囲気は既に作り出したし、加賀美の体だって充分に火照っているんだから簡単だ。
ニヤリ、と微笑んで俺は体重を片膝にかけた。加賀美の首に緩く片腕を回すことによってバランスを保ちながら、彼を甘く拘束する。
そして、浮かせた方の膝でそのスラックスの上からでも分かるほどに膨らんだものをグリッと抉るように潰し、それでも痛みを与えないように緩急をつけてグリグリと押した。
くっ、と加賀美の息が詰まる。とても端整な顔立ちがつらそうに歪められた。
「それ、格好いい鷲のネックレスですね。とても力強くて上品で高虎に似合います」
「っ、あぁ、俺のお気に入りだよ…」
「オリジナルデザインですか?」
さぁ、答えろ。
どこでそれを手にいれた?
俺を抱きたいなら、情報をよこせ。
追い討ちをかけるように膝でさらに刺激を与え、だが、加賀美が逃げないように甘さを装った片腕で軽く肩を押さえつけた。
もう片手は加賀美に見えるように自分のベルトに持っていき、バックルを外す。答えたらご褒美があるんだと思わせて、実際、鋭く熱い目線がそこに注がれて生唾を呑む音がした。
「…高虎?」
焦りそうになる心を必死に我慢して、ペロリと唇を舐めて甘ったるい猫撫で声を出す。
情事が待ち遠しいように腰を揺らして急かす。
そして、ついに、
「知り合いに、ッは、貰ったんだ…!」
「デザインはその方が?」
「あぁ、」
「優秀な方ですね。…うちからお仕事を任せたいので、後で連絡先をいただいても?」
「あぁ、っ分か…った、」
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目には目を、歯には歯を。
罠には罠をもって制するのが最善だ。