HomeopathyU -The frauds- | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

prev / next
[mokuji / bookmark / main / top ]

3.


「弟か妹はいませんか?」

「え?」

「頼れるお兄ちゃんって感じがします」

本当は四歳年上の兄が一人いる。

既に調べて知っている。だから、この質問で知りたいのは加賀美が嘘をつきやすいかどうか。

再び戻ってきて脇腹を撫でる手が、背後に回されて背筋をなぞり上げる。ぞわり、と肌が泡立って背筋をしならせれば、彼が上機嫌に笑う。

俺が感じる背筋に何度も指先が這わされて、たまらずに喉元を晒せば、追うようにして今度は俺の首筋が啄まれる。ちゅ、ちゅ、とリップ音を立てながらザラッとした舌が舐めた。

「んっ…!」

柔らかい唇で食むようにして挟んでくる。

因みに、慧と付き合って以来、色仕掛けもしていないし慧としか肌を重ねていない。

最近はあまりしていないが、慧と寝る時は例外なく俺が可愛がられる側だ。いつも。…つまり、何が言いたいかと言うと、

(感度が上がってる…っ、)

可愛がられすぎて敏感になった。

慧相手だと随分と気持ちがいいとは思っていたが、それは慧が好きだからという精神面だけでなく本当に身体的な理由もあったらしい。

(あいつ、なんてことをしやがる…!)

少なくても、昔仕事で肌を重ねる時はこんなに感じていなかった。しかも、俺がネコになったのは慧が始めてだから、慧以外の相手に体を開こうとするのもこれが始めてだった。

感度がよくなれば相手を煽るのに都合がいい、と理性的な俺をよそに、頭のどこかで今すぐ加賀美を突き飛ばして、ここから逃げて、慧の胸に飛び込んでしまいたい俺がいた。

(馬鹿馬鹿しい)

この部屋のドアすら開けられないのに。

「気持ちいいか?」

「た、かとら…、」

「体は触っていいんだろ?」

[ 111/179 ]
prev / next
[ mokuji / bookmark / main / top ]

目には目を、歯には歯を。
罠には罠をもって制するのが最善だ。