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4.


シルフは俺にも神殿に顔を出して、風の王は存在すると証明してほしいようだったが、騒ぎになったら困るから控えることにした。

だが、襲撃の時に風を操る白い鳳凰を見たと言う人が続出し、シルフも笑顔で肯定したから、今町はかなりのお祭り騒ぎだ。

楽しそうだったが、先を急ぎたいからお祭り騒ぎを抜け出してこっそりシルフ達に挨拶している。

「また会いに来るよ」

『お待ちしております』

「元気でね」

『主様もです』

最後にシルフの頭を撫でる。シルフとリィシャとヨトに見送られながら傍で待っているイチル達のところに向かった。イチルが軽く礼をして、ホーリエとオーツェルドが手を振っていた。

小鳥の姿になって、イチルのポケットの中に潜り込んだ。これはかなり便利だ。何よりこの感覚がとても懐かしくて、温かくて、心地いい。

ポケットから頭を出したが、その瞬間、

『あたっ、』

パシ、と指で額を弾かれた。

痛くないように加減されたデコピンだったが、かなり驚いた。つぶらな瞳で恨みがましくイチルを睨んでやったが、痛くも痒くもないというように涼しげな表情で笑っただけだった。

そして、少し不満げに眉を寄せて、

「軽々しく他人にキスするな」

と言った。

『嫉妬した?でも、リィシャとヨトだよ?』

「幼くても男、…いや、女も困るが、…とにかく!今後は控えろ。いいな?」

『子供に嫉妬って、うわ。シルフにも嫉妬してたよね?シルフ可愛かったよね』

「っ!」

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王には世界を守る義務がある。
そして、俺にとっての世界は君である。