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6.


そして、二つ目。魔獣について。

魔獣は俺が考えていた通り、元は聖獣だ。

闇の精霊が聖獣の体に入り、融合しようとすることによって聖獣は拒否反応を起こす。一つの体に二つの属性は自然の理に反するものであり、そうなった聖獣は例外なく暴走する。

一度暴走すれば元には戻れない。

因みに、闇の聖獣は融合したところで同じ属性であり、また光の聖獣はもともと闇に対する抵抗力を持っているから魔獣には堕ちない。魔獣になるのは光と闇以外の四属性だ。

「闇の精霊が融合しようとする理由は?」

「それは…」

「それに、魔王もおかしい。魔獣に理性がないなら従えないはずだ。魔王ノクトは人間だった。精霊は人間とも融合するってこと?」

魔獣は理性を持たない。

つまり、従えることは不可能だ。

魔獣は誰かが意図的に生み出したのではなく、自然に生まれたと考える方が妥当だ。だって彼らをコントロールする方法はないのだから。何かの目的のために人為的に生み出されたなら、必ず制御する方法を作っていただろう。

マーメイドはノクトが人間だと言っていた。ケルベロスですら殺すしか選択肢がなかったのに、人間だった彼はどうやって魔獣を従え、どうして魔獣は彼を攻撃しなかった?

しかも、ノクトは賢王だった。

「人間とは融合せぬよ、…普通は」

「普通は?」

「昔話をしよう。貴殿が来る前に彼らに聞いたのだが、旅の目的は魔王の討伐だそうだな。ならば、この話は知っておかねばならぬ」

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王には世界を守る義務がある。
そして、俺にとっての世界は君である。