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5.


「まず、」

ケルベロスが言った。

「初めまして、風の新王」

「初めまして、闇の王。会えて光栄だよ」

「私もだ。先代の風が亡くなってから千年…、いやはや実に感慨深いなぁ」

千年?数百年じゃなかったのか。

千年前と言えば、ちょうど魔王がいた時代だ。それと関係はあったんだろうか。

いや、それから聞くべきじゃない。順を追って一つずつ明らかにしていかないと。何から聞くべきか悩んでいる俺を見透かしたように、ケルベロスは鋭い目を細めて笑った。

「新しい王は皆最初戸惑うものだ。貴殿が何から聞けば良いのか分からないのであれば、私から話をしようではないか」

「…それじゃあ、お言葉に甘えて」

ケルベロスが話したのは二つだった。

まず一つ目、王について。

それぞれの属性の頂点に君臨する六人の王は、不老ではあるものの不死ではない。

ある一定の条件を満たすことができれば殺せる。これは王だけではなく全ての聖獣に通用する理だが、その中でも神とも呼ばれるほどの強さを誇る王を殺せるほどの力はそうそうない。だが、それでも条件が満ちることがある。

その条件とは単純で、ただ王より強い者が王を殺す。それだけだ。

だが、人間はSランクまでしか魔法を使えず、聖獣もSSランクであるのは六人の王しかいない。しかも、この王達の実力はほぼ拮抗している。

つまり、通常、条件が満たされることはない。

だが、千年前、条件は満たされて風の王は死んだ。

そして、王が死んだ場合、新たな王がすぐに生まれる。その新王は先代の生まれ変わりではないし、子供でもない。全く関係のない別の聖獣だ。

通常それは本当にすぐで、今回のように千年も空位だったのは異例中の異例らしい。

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王には世界を守る義務がある。
そして、俺にとっての世界は君である。