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16.※


中に出された衝撃でまた感じてしまい、背筋が震えてリドにしがみついた。

はぁ、はぁ、と互いに乱れきった呼吸をしながらどちらからともなく目が合うと、照れ笑いをして唇を重ねて啄む。

俺を撫でてくれる手が優しい。リドから僅かに香る潮の匂いが気持ちを落ち着かせて、イッた直後の疲れきった体はますます力が入らなくなって苦笑いをした。

「…ほら、もう抜け」

「おう」

と答えたが、名残惜しげだ。

リドはまだ今回が最後だと考えているかもしれないが、俺はこれからも一緒にいるつもりだから今抱き潰されたくない。

だが、リドはやはり悪戯っぽくて一気にじゃなくて、快感を長引かせるようにずるずるとゆっくり俺の中から出ていった。

「ふ、ぅ…んっ、」

「ったく、やらしいお嬢さんだな。…中からこんなに溢れさせて」

「誰がやったんだよ、誰が!」

「俺だな。だが、煽ったのはお前な」

悪びれた様子もなく、そう言う。

「…まぁ、そうだが、」

これは否定できない。

肌を重ねている最中なら熱に浮かされて頭がおかしくなるが、終わった後は一気に冷静になる。最中の言動を思い出してみると、もう恥ずかしくて逃げてしまいたい。

視線を逃がす。ちらっ、と恐る恐るリドを見たが、そこにあったのは俺が思っているよりもずっと真摯な表情だった。

「俺と一緒に来ねぇか」

「約束を守らない男は嫌いだ」

わざとこんな言い方をした。

だが、俺が言っているのはダイヤが手に入れば俺を手放す方の約束じゃなくて、これからも俺を幸せにしてくれるという方だ。

そして、リドはきっとそれを守ってくれるから彼を嫌いになる日は絶対に来ない。

「俺と来たら後悔はさせねぇ」

「もともと後悔してない」

お前と生きるって決めたから。

元の俺ならこれらの言葉はそのままの意味だっただろう。だが、リドに会ってから感化されて俺も悪戯っぽくなって、わざと勘違いするような言葉を選んでいた。

「心配するな。俺は幸せに生きていく」

お前の隣でな。

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