15.※
「とりあえず、今シアワセにしてやる」
「ん?…ッちょ、ぁあ!」
グッ、と律動が再開された。
全く萎えていないリドのものが激しく打ち込まれる。もう中を可愛がられすぎて、リドの形になってしまいそうだ。
エメラルドは鮮やかで、透き通っている分感情が分かりやすい。飢えた獣のように俺を貪る反面、愛おしい、大事に大事にして離れたくない、と切実に訴えていた。
だが、やはり腰使いは荒々しくて、気遣ってくれているのは分かるが、余裕がない。
「…ま、さか、っこの半年、…お前、恋人、ぁっん、作らなか…ぁ、んぅ、のか?」
そしたら、少し叱るように、
「お前しか、…恋人にした、覚えはねぇよ」
軽く睨まれてしまった。
情事で息が切れているものの、迷いなくきっぱりと断言した言葉に嬉しくなって、感情と共に感度まで高まっていくようだ。
そして、耳元で囁かれた言葉は子供に言い聞かせるようでありながら、僅かに懇願の色があったのを俺は聞き逃さなかった。
「これからもだ。…覚えとけ」
あぁ、分かった。覚えておく。
だが、俺はお前を夢中にさせつづけるつもりだから他に目移りする暇もないだろう。
了解、とリドの首筋を甘噛みすれば、ちょうどその時に先端がしこりに当たった。グリッ、と音が聞こえてきそうだ。
「ひゃ、ぁ、んあぁッ!」
あまりに強烈な刺激に耐えきれず、俺は達してしまった。勢いよく弾けた白濁は互いの腹を汚して、たらりと垂れる。
何も考えられなくなる快感に頭が朦朧となって、開放感の後の甘い余韻に浸っていることしかできない。体に力が入らなくて、脈拍と呼吸を落ち着かせるのに必死だ。
だが、体はそうじゃないらしく、イッた衝撃で後孔を激しく狭めてしまい、隙間なく満たしてくるリドを強く締め付けた。
俺自身無意識に、遠慮なく。
「ぅ、あ…、はぁっ、」
一拍後、中に熱いものが広がる。
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