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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -


2.


改めてリドを見た。

純白の軍服姿は初めて見る。

タキシードを着ていた時の優雅さは消え、いつもの野性的な笑みを浮かべていたが、憎たらしいほどに似合っていた。

(海賊のくせに…)

きっちりと閉めずに開け放たれた胸元からは鎖骨が見えて、喉仏も色っぽい。

なのに、シミ一つない軍服も白手袋も禁欲的で、腰に下げられた真剣が凛々しくて、どうしようもなく格好いい。

夜を切り取ったような艶やかな黒髪は軍服の白に引き立てられ、濃さを増したようだ。動きに合わせ揺らぎ、流れる。

軍帽の陰から見える鋭い深緑。

だが、それは俺と目が合うと、照れたように少しだけ細まって微笑んだ。

「いや、似合ってないな」

嘘だ。すごく似合ってる。

うっかりすると目が離せなくなってしまうほど綺麗で、惹き込まれる。

だが、不機嫌な表情をしながら俺の手に重ねた手でナイフを触るリドに、俺は焦って咄嗟に逆の言葉を言った。

「似合ってる!似合ってるから!!」

不機嫌な理由は褒めなかったからだけではなく、内緒で持ってきたナイフを見付けてしまったからでもあるらしい。

「んー?今更取り繕ってもなぁ…、悪いお嬢さんだ。嘘をつくし、持ってくんなつったナイフも持ってくるし…」

「リ、リドッ、」

「どうやってお仕置きしてやるかな」

楽しげな目にゾクリと背中が粟立つ。

顎を持ち上げられたまま逸らすことも出来ず、リドの目をまっすぐに見るしかない。

囚われたような感覚はますます強くなっていって、しばらくの見詰め合いの後、俺は大人しく負けを認めるしかなかった。

「俺が悪かったから」

「似合ってるか?」

「あぁ、似合ってるよ!」

「ナイフを渡せ」

「ほら、」

「…俺が好き?」

「誰よりも愛してるよ」

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