8.※
だが、まさにその瞬間を見計らって、レパードが口を離した。
それどころか、確信犯で間違いない奴は指で輪を作って根元を締め、イけなくしてくる。これは切実に苦しい。
しかも、勃ち上がったそれを嬲るように舌先だけでチラチロと舐める。それも故意に決定的な快感を与えてくれない。
眉間にシワが寄るのが分かった。
「ハッ、いいな。そのなんでって表情」
腹につきそうなほど反り上がったそれを無視して、レパードは俺の内腿にキスを落とした。息がとても擽ったい。
そして、そのままキスした場所に噛み付いた。本気で犬歯を立てているわけじゃないが、痕を残すには十分な強さだった。
「何してる!?」
クチュリ、と唇が離れた。
(絶対に傷を残しやがった…!)
しかも、噛み傷は消えにくい。
「上手くないって言われちまったから、意地悪してやろうと思ってな」
「は?」
「何も言われなかったら、そのままイかせてやるつもりだったんだがなぁ…。俺は思ったほど上手くねぇらしいし?」
根元を握る手に手を伸ばそうとしたが、ペシッと清々しく払い落とされた。
口角を吊り上げたまま先端に長く息を吹きかけられるが、直接触れるつもりがないことはその態度から見て取れた。
「イきてぇ?」
「……っ、」
「そりゃイきてぇよな。だったら、素直にイきてぇって言えよ。簡単だろ?」
カリカリ、と裏を引っかかった。
達する直前でせき止められるのは本当に苦しくて、思わず強請るように腰が揺れたが、それでも許してくれなかった。
(…これ、言うまで終わらないな)
だったら、早めに言った方が楽だ。
そう思ってしまうあたり俺の思考はとうに快感に流され、呑まれてしまっていた。
[ 222/489 ]
[*prev] [next#]
[top][mokuji]
[しおりを挟む]