● 不死コンビとハッピーエンド


※「結末は悲劇か、」の続きもの

「……馬鹿じゃないの、ふたりとも」
「おう馬鹿だな」
「……」
「あたしがどれだけ、」
「悪かった」
「―！　か、角都さん？」
「…貴様がどれだけ苦しい思いをしたのか、それはしっかり此処から見ていた。お前の横に居るそいつもな。」
「飛段も…？　って、え、嘘。見られて、」
「だがな」
「っ！」
「なぜお前まで自害した」
「……それは、…」
「寂しがり屋のお前は此処まで追いかけてきちゃったってかァ？」
「飛段、貴様は黙っていろ。殺すぞ」
「ちょっ、だからそれをオレに言うかよ角都！つーかオレらもう死んでるからな！」
「……あたし、は……」
「オレ達がなぜお前を宿に置いたかわかるか」
「足手纏いになるから、じゃないんですか？」
「確かにそれもあった。が、もう一つ意味があったのだ」
「もう一つの、意味……？」
「…それは、」
「角都。もういいじゃねーか」
「……飛段」
「えっ…な、なんなの？」
「なんでもない、気にするな」
「さ、行こうぜェ！　オレとあの世の探険でもしよーや！」
「待ってよ、飛段！　角都さん、結局なんだったん」
「行くぞ」
「な、なに？二人してなんなのよーっ！！」
「うっせー！黙ってオレにこうされてりゃいいんだ、よっ！」
「っわ！？　ちょ、なにするのっ！」
「何って、お姫サマ抱っこっつーやつだぜェ！」
「そうじゃなくて！あたし重いから―…」
「オレがこうしてぇんだからさせろ！　生きてる時は満足に構ってやれなかったからな」
「…っ」
「まったく…貴様等の会話にはついていけんな」
「オイオイ！ジジイについてこられたらドン引きだぜ、マジで」
「どうやら殺されたいようだな飛段。その減らず口を永遠に黙らせてやろう」
「ふ、二人とも仲良くしてよ！　死んでもまだ喧嘩するの！？」
「ゲハハハ！　にしてもお前重いなァ、やっぱ！」
「だ、だだだから言ったのにいい！！」
「耳を貸すな。　飛段そいつを寄越せ。オレが運ぶ」
「ハァー！？ざけんなエロジジイ！」
「…やはり殺す」
「ちょ、オイコラァ！　此処って忍術使えんのかよォー！？」
「圧害は駄目ですーっ！！　馬鹿じゃないの、ふたりともーっ！！」
「おう！馬鹿だな！ゲハハハハハハ！！」


130407
もう一つの意味＝彼女のことが大切になってしまったからただ単に九尾は尾獣の中でも危険な存在だと言われていた為、万が一を考え安全な場所に置いておいたというだけの簡単な理由。