7 いつまでもこどもあつかいすんなババア
 

「なんか楽しそうなことしてんなあ!」

空を見上げると白い軍服を着込んだ神様が一人、電柱の上で興味深そうにこちらを見下ろしていた。肩上で銀色の髪が風に靡いていた。長寿の神は彼の方へ一歩前に踏み出すと声を張り上げる。

「貴様の出る幕ではない、消えろ!」

「でもそれ異物じゃん?お掃除しなきゃじゃん?」

好奇に満ちた笑みを浮かべて首を傾げてみせる。お掃除とは、たぶん排除のことで彼は偽神化したうさぎを殺しに来たのだ。

「偽神とは言え元は神の種だ、貴様ごときがそう簡単に始末出来るか」

「調子乗んなよ、いつまでも子供扱いすんなババアはとっとと神殿に帰って安らかに死ね」


なにやら長寿の神とは関係が深そうな銀色の髪をした神はひょいと電柱から飛び降りて軽やかに着地した。間近で見て更に分かった。
瞳の色も銀色だ。


「……誰?これ」

彼は俺を見ると怪訝そうに眉をひそめた。どうやら存在すら認識されていなかったようで、少しだけ悲しいかもしれないと俺は思う。

掴んでいた彼女の手首から手を離して彼女の更に前に出る。

「俺は」

「あーわかった!君あれだろ、有名人の、えっと何だっけな」

そう言いながら、銀色の神はジリジリと距離を詰め寄り、俺は後退りそうになるのを抑える。そして更にぐっと顔を覗き込まれてしまえば、反射的に顔が引き攣ってしまう。

「あっ、皇帝のご子息だっけか」



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