3 ねぼけたかみさまがなんかいってる
体の異変に気付いたのは昨日。異様な眠気と食欲に悩まされ、今日に限って食事は野菜しか口に入らないからおかしい。
これはあれだろ。間違いなくあれだ。あれしか思い当たる節が無い。
「おい、神様教えてくれ」
「いやまず何故私はお前と一緒にベッドで寝ているのかを教えてくれ」
隣で寝ていた神様がむくりと起き上がり怪訝そうに俺を見て言った。
「今はそれどころじゃないんだけど」
そう答えると酷い形相をして大声を上げ始めるので耳を塞ぐ。寝惚けた神様が何か言ってるようだった。
そんな奇声を発する神様は実は偉大な長寿の神であったりする。人々を現に留置しまた排除する権限を持ち生と死を司る。そんなお偉い神様だ。
そんな神様は、はっきり言って美しい。
肌は滑らかで白く、長い髪は細くて艶やかなブロンドだ。そしてスタイルも抜群。かなり好みである。
「何故って、泊まったからだろ」
「では服が無いのは」
「元から着てなかったじゃないか」
布団にくるまっていた神様が顔を上げて間抜けな顔をした。
「いやいや本当よ」
早とちりをしてはいけない。何て言ったって此処は俺のテリトリーであっても神の手の有効圏内だし、俺なんかが神様をどうこう出来る訳がない。第一無闇勝手に触れようものなら一瞬で成仏してる。末恐ろしいわ。
「経緯を聞いてやる」
ベッドの上で布団にくるまり偉そうに足を組んだ神様が唇を吊り上げて言った。
どうして神というやつはこうも態度がでかいのだろう。
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