先日とある少女に会ってきた
面倒だったし会いたくもなかったけど、仕事だから仕方がない
顔を会わせれば彼女の黒い髪は腰の辺りまで伸びて体つきもやや成長したようで手足が異様に長く見えた
もっと小さかったよなと思い返してみるも特に思い返すものはなかった
突然現れた俺に彼女は一瞬だけ目を見開いて、そのあと「ああ、遅かったね」とでも言いたげに俺を見た
もっと怖がってくれねえかなとか思ったりして
ああ、やっぱ俺こいつ嫌いだなとか思ったりして

昔から俺が怒鳴ろうが殴ろうがこいつは泣きも叫びもしないし、それ以前に抵抗すらしなかったから今更な話だ
彼女は俺が何をしに来たのか察しがついているようで静かに目を瞑った
だからそういうのが嫌なんだってどうして分からないのだろう
その姿は帯をほどけば布切れ一枚の癖に、それは今の主人の趣味か何かか
その布を剥ぎ、腹部を踏みつける
それは苦しそうに顔を歪めた
何度も踏みつけ、顔面を蹴りつける
赤い痣が腫れあがり、鼻血で靴が汚れた
それでもそれは顔を歪めるだけだった
もういいや、少しはましになったかと思えば何にも変わっちゃいない
これ以上同じ空気を吸っていることに嫌気が差した俺は、横になったそれの体を仰向けになるように蹴り倒す
持ってきた古びた刀を抜いてそれの首筋に添えて躊躇なく突き刺した、それからもう一度突き刺して髪を持ち上げてその首を断った
特に何も思わなかった
部屋は真っ赤な花弁が散っていて鮮やかで
目的を終えた俺は頭を拾って帰ろうと思う
けれど、何か
俺自身が身体欠損してしまったみたいな、そんな気持ち悪さがしてならない
胃は痙攣を起こしている

どうして?

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