迷路には多くの子供が収容されている。監獄のように冷たい檻に押し込まれ過労を強いられる者や体の部位を商品として売り飛ばされる者、酔狂な見せ物にされて殺される者もいれば実験のモルモットにされる者もいる。皆、迷路には平和な暮らしが待っていると望み疑わなかった。それほどまでに厳重に包み隠された組織は未だ法の目を逃れのうのうと勢力を増しつつある。 反吐が出そうだ。 「それに比べたら僕らはマシだよ」 「そんなに死人出ないからな、此処」 「来てすぐ“解体ショー”とかに出される場所があるんだろ」 「それ知ってる、客を入れて見せ物にするんだ」 「見に来る客の気がしれないよ」 「使い終われば臓器売り捌いて一石二鳥ってか」 「俺は父様に愛されて良かったと思う」 「そうだね、生きていけるだけましだよ本当」 prev next [back] |