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純白の花が散る
2013/02/22

銃声が響いて白色の髪が揺れた
脱退のネオンが光る
御託はうんざりだった

笑うのは得意で、まるで道化師のようだねとある奴は囃した
取り繕って背中を取れば後は寝首を掻くだけだ
親切?温厚?
いやいや、全部フェイク

飽き飽きした城の中
踏み込む場所を間違えたと気付いたのは後戻り出来ないところまでいった後だ
少し青みを帯びた髪と冷たい黒い瞳、白い体
見慣れた光景にありふれた少年が一人何も映さない瞳で俺を見た
蛇足でいいかな、歪んだ口許を隠す
おかしくなったのはいつだっけ
全てがどうでも良くなって逆に全てが満たされてしまうようだった
射抜かれてしまった、焦がされてしまった
積み上げてきた物を全部壊してしまえるような気がした
だから捨てた
そして手に入れた孤独な王の話

だけど終わりだ
何も知らない愛する人に悟られないように狂ったもう一人が手を挙げた

「ぐちゃぐちゃにしたのは俺なのにね」


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