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溺愛リバーション 「この金魚はさ、彼女からのプレゼントだったんだ」
2012/10/05
「先生って未練がましいんですね」
先生は何も言わずに苦笑した。
靴が水に濡れてすごく気持ちが悪かった。ちゃぷちゃぷと音がして、水槽の水は部屋中に広がっていくようだ。
「土に埋めてあげようかな」
「魚は陸上で生活しませんよ」
「だめなの?」
「ええ、俺が許しません」
「厳しいなあ」
そういってまた苦笑した。
魚は魚らしく海の海蘊になってしまえばいいのだ。甚だしいにも程がある。
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