※2023/08/25時点でコミックス未収録の本誌情報を含みます


ここ最近の日課。
落ち込んでる脹相さんの様子を朝夕の2回、見に行く。
今日もいつも通り見に行くと、ノックに返事はやっぱり無くて、彼は窓際に置いた椅子に座ってぼんやりと外を眺めていた。夕日が彼も含めて部屋全体を赤く染めている。その赤さが、数日前に破壊された薨星宮から帰って来た時の彼のようで、私の血の気が引いた。
「脹相さん、服が直りましたよ。上着に関しては直ったというか0から作ってくれたみたいですけど」
「なまえか。……ありがとう」
夕日を背負った彼の顔は暗がりで見えない。元々ややローテンションでボソボソとした話し方をする人だったが、ここ数日は気落ちして輪をかけて声が小さい。ほぼ勘で彼の言葉を理解している。きっと昨日と同じで隈が濃く、目は落ち窪み、頬はコケている。今日戻ってきた邪馬台国みたいな服装より今のジャージにTシャツ、下ろした髪の毛の方がずっと普通だけど、早く前の彼に戻って欲しい。
「もう着替えます?着てる服、洗いますけど」
「後で考える。……なまえは元気か」
「私は全然大丈夫ですよ。外にも出てないですし」
「よかった。そのままでいてくれ。外には出るな」
「……今日も虎杖くんの話、しましょうか?」
「頼む」

視線がこちらに向けられて、虚ろだった声に少しハリがでる。Wordのフォントサイズでいうと8ポイントが20ポイントになったくらい違う。
彼は立ち上がりカーテンを締めて、電気をつける。健康な人間らしい部屋になって、彼は椅子をベッドに向けた。
私はベッドに座り、彼は椅子に座り直す。脹相さんの顔はやっぱり予想通り昨日と変わらずやつれていた。
薨星宮から度々戻ってきて虎杖くんの話をねだって来てた頃の脹相さんは、生気と活力にあふれていた。私の話に32ポイントくらいの声で合いの手まで入れてくれたのに、今はただ、黙って嬉しそうに聞くだけ。
彼に話してないエピソードはあったろうかと記憶を巡らせるが、でももし同じ話を2度しても喜んでくれそうだけど。

話し終えてホテル棟を出る。本当は寮棟だったらしいけど、今は学生だけじゃなくて私も含めて高専に全然関係ない人もいるからホテルみたいになってる。今すれ違って会釈し合った人も、高専関係者みたいなスーツだけど弁護士だったらしいし。
ホテル棟から教室棟に渡り終えたところで、誰かが何かを叫びながらすごい勢いで正門の方に走っていった。反射的にしゃがんで物陰に身を隠す。しばらく経っても、何も起きなかった。心臓がバクバクと動いている。あの日から大きい音が苦手だ。映画とかもう行けない気がする。というか、今もまだ映画ってやってる?……映画館のサイトを検索してみたらサイトトップに大量にどこそこの映画館休館のお知らせが続いているが、やってはいるようだ。すご。


教室棟で今唯一電気がついている1階の事務室に戻る。学生時代、給食のときに班で席をくっつけたみたいにレイアウトされている事務机の1番手前左。ここが、私があの渋谷で、東京都立呪術高等専門学校に保護されてからずっと借りている席。
でも斜め前に座ってる伊地知さん以外の補助監督はいない。その伊地知さんも頻繁にいなくて、昨日も昼から出たっきり帰って来ない。
私はここで伊地知さんがいない時は1人で電話番と来客対応をやっている。お客様らしいお客様はあまり来ないけど、たまーに来てくれる業者さんから医薬品や食料を受け取って教えられた所に保管し、かかってきた電話には誰彼構わず「担当者が渋谷で行方不明になってわからない」と答えるのが仕事。
今、高専には全国各地から現状を知りたがる人からの電話がずっとかかって来てて、正しい答えを求めてくるけど誰もそんなもの知らない。なので「そう答えるのが1番効きますから」と伊地知さんにお願いされた。
今まで見たことも聞いたこともない、本質どころか現象さえ理解してない言葉をここに来てたくさん覚えた。呪霊、呪術師、呪詛師、呪具、術式、総監部、御三家、封印、結界、薨星宮。
最初の頃に使ってたメモ帳をめくる。必死にメモを取ってたけど、今はもう読んでない。とにかく、高専に席がある人以外には「何も知らない」とだけ返すのが1番だとわかったから。

そろそろ半月以上この席を借りている。渋谷の事件は日本最大の厄災と呼ばれて、去年の新宿で起きた大規模災害より死者数も建物被害も大きく、さらに全国各地でも似たようなことが起きていて、日本って終わるんじゃない?という空気が濃く漂ってる。
SNSは投稿の8件に1つは渋谷の件に絡んだ内容だし、気がおかしくなって事件を起こす人が増えたし、テレビCMもネット広告もひっきりなしに心の相談センターが連絡を呼びかけている。
事務室の端にあるテレビをつける。バラエティをやっていて、芸人も空元気みたいに声をはりあげてた。東京が被害を受けたことで急遽なくなった番組もあるし、いなくなった芸能人の代役が立って、番組名と出演者や内容が合わなくなったものも少なくない。
この学校から出るのを止められている私がわかる変化はこのくらいで、外に出ればもっと日常がなくなってるんだろう。
気がおかしくなるのもわかる。私だってここで、暇なんてないくらい忙しくて、頭に新しい情報が毎日入ってくるお陰で人間性を保ててる。……画面の中のケンコバの笑いに合わせて笑ってみた。一瞬元気が出たような、出ないような。
頬杖をついた振動でパソコンモニターから剥がれ落ちた「11/3 16時会議」という付箋を貼り直す。すでに終わった予定だけど、この机上にあるものを動かす気にはならなかった。

バラエティ番組が終わって、代わり映えしない気が重くなるようなニュースになるので消した。……コーヒーでも飲むか。
22時を過ぎて、コーヒーメーカーの音がやけに大きく響く。濃いコーヒーを胃に流し込んでも眠い。眠い。ものすごく眠い。綺羅羅ちゃんも家入さんも遊びに来ない夜は無音だ。最近よく眠れていないのもあるだろうな……眠気があるときに眠った方がいいのかも。
着てたジャージの上着を脱いで畳んで、いい感じの枕を机上に作る。タイマーを1.5時間後にセットして突っ伏して目をつぶり、しばらくして眠れそうに意識が落ちかけた所で足音がした。綺羅羅ちゃんか家入さんだろうか?……だめだどうしても眠い。また明日、遊びに来て欲しい。

「なまえさん?」

綺羅羅ちゃんの「なまえちゃん」でも家入さんの「なまえ」でもない、私を呼ぶ声が背後の出入り口からした。誰だか分からない。つまり幻聴かヤバい不審者。――つまり、私を殺しにきた呪詛師かと思って眠気が吹き飛ぶ。振り返った先にいたのは、全然違う人だった。

「虎杖くん、じゃん」

虎杖くん、だった。
でもわかるわけがない。声が全然違った。前みたいな溌剌さはなくて、かすれて、ざらついてて、でもさっきのテレビの芸人達みたいに無理に膨らませた風船のように、今にも破裂しそうな作り物の明るさでコーティングした声。
そして顔はケロイドの傷跡だらけ。さらに口元にひとつ、他のとは違う大きな濃い傷跡があって、そのせいで笑ってないのにそう見えるのが空元気さを際立たせてた。
虎杖くんは自分の意思でちゃんと笑うと、早足で私のそばにやってきた。
「ただいま」
「おか、えり……え、大丈………い、痛い痛いいたい!!!!折れる折れる!!!肩幅が無くなる!!」
「あ!ごめん!」
私を抱きしめてくる虎杖くんが窓ガラスに映っているか確認して、夢じゃないと思っていたら、どんどん力が強くなって自分でも知らない関節から聞いたことない音が出た。
「ごめんじゃねーわ!男子同士のハグすんな!肩幅0になる!もー……うわなにこれ」
「うわ!ゴメン、マジでゴメン!俺の服、黒いからわかんなかった……」
ハグられた私の白いTシャツに赤や茶、黒いのがベタベタにくっついていた。どす黒い赤が多い。これ完全に血じゃん。虎杖くんの制服、真っ黒だから分からないだけで、顔にそのくらいの傷を負ったんだから、とんでもなく血で汚れている。彼の肩のあたりを嗅ぐと、血と火。それから汗と泥の臭いがした。

「ちょっ……なまえさん嗅がないで」
「……この白T、ハイブラなんですけど」
「ゴメン、25万くらい?」
「ハイブラのTシャツってそんなするの!?」
ハイブラじゃないじゃん。と、虎杖くんはやっと楽しそうに笑った。ハイブラじゃないよ。冗談だよ。UNIQLOのTシャツ。
そう伝えるとまた笑ってくれたけど、その笑顔は前と似てるが全然違う。うまくいえないけど、カサカサに乾いてるような感じがした。
久しぶりに会えて何をどう話そうか考えていると、お腹が鳴った。私の。
「俺のせい?」
「肩幅狭められてお腹ならんわ。単純に食欲なくて夕飯食べてなかった。虎杖くんの顔みたらお腹すいてきた」
久々に大きい声だしたし、気楽に話せる人に会えたってのが大きい。
「食堂、なんかある?俺作ってくるよ。なまえさんはここで寝てて」
「いいよ虎杖くんがここにいな。私作ってくるから。その傷じゃ無理でしょうし、疲れてるでしょ」
「いや全部ふさがってっし……それになんか……気分転換したいし」
やらして、お願い。と両手を合わせて小首をかしげられる。かしげんなし。こういうときだけ年下するな、可愛いじゃん。
「……わかった。美味しいのよろしく。食材はあるのは何でも使っていいから。明日買い出しにいくし。でもその前にシャワって着替えなよ」
「りょーかい」
そう言って出ていく虎杖くんは、なんかやっぱり全然違った。男子高校生3日会わざれば刮目して見よって辞書にあったけどその通りで、私なんかよりも全然、もう日常に戻れない顔つきになってた。

▼ ▼

「おいっっっっっし」
「マジ?よかった。最近ろくなもん食ってなかったから、味見したらなんでもウマく感じてさ」
黒Tと黒ジャージ、スリッパに着替えた虎杖くんは事務室にミートソースパスタを鍋ごと持って来てくれた。ミートソース缶なんてあった?って聞いたら、無かったから余ってたトマトとひき肉と、ウィンナーとか色々もらった、と。完全に潰れてないあらごしトマト入りは美味しすぎる。
「虎杖くん料理メチャうまいね」
「昔、爺ちゃんと2人で住んでたから結構家事やってたんだよね」
「だからか。最近は何食べてたの?」
「俺がどこで何してたか、誰かから聞いた?」
「家入さんや脹相さんから聞いたよ。死滅回游」
「え……アイツから……?……あの中、電気は通ってるけど物資は取り合いになってて、缶切りないと開けられない缶詰がいっぱい残ってたからそればっか食べてた」
「はー……なるほど。そういえばさ、話し変わるけど脹相さん、いいお兄さんだね。お兄さんとは一緒に暮らしてなかったの?」
虎杖くんが明らかに困った顔をして「あー……うん。そう」と。なんか聞いたらまずいことだったのかもしんない。虎杖くんの顔がどんどん暗くなる。
「……もしかして、虎杖くん、21時くらいに帰ってきた?脹相さんが校門まで迎えにきた?」
「うん……来た……。……なまえさんってアイツと結構仲いい感じ?」
「まー……よく話す方かな。ほらお互い虎杖くんっていう共通話題あるしさ、今はちょっと元気ないけど、前は色々気にかけてくれてたんだ」
渡り廊下で見たあの校門に走っていく何かってやっぱ脹相さんだったのか。……明日から元気になってくれるといいんだけど。
「なまえさんはなんでここにいんの?俺はまた会えて嬉しかったから、ここにいてくれてよかったけど」
虎杖くんが話を無理やりそらす。これもう脹相さんの話題は振らない方がいいかもしれない。
「話すとちょっと長いよ?」
「なまえさんが話せるなら、全部聞きたい」
時間あるし、と虎杖くんは大量のパスタが残る鍋を小突いた。

▼ ▼

私は渋谷で虎杖くんと伏黒くんに助けられたあと、夜蛾さんの判断で事情聴取をするためすぐに高専に送られた。夜蛾さんとしては虎杖くんの知人である私を安全に保護したいという気遣いもあったそうだ。
私が務めていた人材派遣会社は裏で呪詛師の斡旋業をやってたらしく、私は何も知らず、あの日の渋谷で働く呪詛師の粟坂に資料を届けさせられた。粟坂の気まぐれで気絶させられて逃げられなくなったところが大きいから、私を行かせた社長は私を殺す気はなかったのかもしれないけど、私がどうでもいい人材だったのは確かだろう。
呪術師界は呪詛師斡旋業社をずっと追ってたらしい。私が話したことで死滅回游に参加できない呪術師達によって会社には調査が入り、会社の上役は全員捕まって会社はほぼ倒産状態になった。
じゃあ家に帰れるかなって思ったら、私の家が荒らされてたらしい。伝聞なのは私が帰る前に術師の人が出向いて調べてくれて分かった事実だからだ。1人で帰ってたら危なかったらしい。
会社内では誰が呪詛師斡旋業務を呪術師界に漏らしたか犯人探しが始まっているようで、私も疑われて追われてしまった。だから行く所もなく、あの渋谷以降ずっと高専にいる。

「ということ。虎杖くん、食べてよ」
長い説明をしてる間、虎杖くんのフォークが全然動かないので心配になって後半駆け足になった。
「無職、家無し。世間的には渋谷で行方不明になったことにして、ほとぼりが冷めるまで下手に動かず、高専にいた方がいいねってことになって、ここにいる」
「めちゃくちゃ大変だったじゃん……」
「虎杖くんほどではないよ。ずっとなんか特殊な学校の子かなあと思ってたら、特殊すぎだし。それにその顔の傷とか……渋谷とか死滅回游がなんで起きたか調査しに行ってるって聞いたけど何か分かった?」
彼は「あー……」と言い淀んで、パスタ皿を置いて、手で口元を覆って考え込んだ。虎杖くんが真剣に考え込んでるときの癖。
「高専のことは話しても信じてもらいづらいからさ」
「まあー……それはそうだね。渋谷体験しなかったら、信じるの難しかったかも」
「俺の身の上も、誰かからきいた?」
「……宿儺とかいうの?」
「うん」
「ちょっとだけ家入さんから」
そっか。と虎杖くんは浅く息を吐いて、口元の手を解いた。
「俺達もこんなことになった理由はまだ全部分かってないんだけど、ひとつだけ言えるのは俺が、宿儺の指を飲んでさっさと死んでれば渋谷や日本でたくさん人は死ななかったし、なまえさんもこんなことにはならなかった」
それだけははっきりしてて、正しい。
そう、彼は呟いた。

部屋が静かだ。蛍光灯のノイズの音が聞こえる。そういえば少しだけ思い出した。最初に彼に出会った夜のこと。酔って絡んで、渡された水をなかなか飲まない私を虎杖くんは辛抱強く待ってくれた。彼の後ろの蛍光灯が古くて、今みたいにノイズを出してたな。
「その正しいってのは、情報として間違ってないってこと?それとも道理として良いってこと?」
「どっちも」
「そっか」
「うん」
彼の顔は懺悔や後悔という表情ではなかった。私だったらきっと、そんな顔してしまうと思うのに、彼の顔は冷たい決意に溢れてた。それが逆にひどく痛々しい。
「それは。それは、虎杖くんが死ななきゃ解決しないような問題に君を追い込んだヤツが悪いでしょ。状況として正しくても、そうなるまでの過程が間違いすぎてる。間違った道理の過程から生まれた結果が正しいなんてありえない。それが……そんな死が正しいわけない。絶対違う」
絶対違う。受け入れるのは間違ってる。
「そんなの詐欺師の言い分だよ。虎杖くん、ツボとか買わされんなよ」
虎杖くんがじっと私を見た。穴が空きそうなくらいで、ちょっと恥ずかしいからやめろよ。
「だからあんまり、そんな考え込まないでよ。頼むから。なんかもう笑ってても死んじゃいそうな顔してる。そういう顔は16でする顔じゃないよ。96とかでしてよ」
傷だらけなのに、動けなくて立っている。まるで立ち枯れた木みたいだった。
虎杖くんはやっぱりただただ私を見つめた後、最後に視線を外して「ありがとう、なまえさん」と呟いた。けど痛々しい決意は、その表情から消えてない。
「どーいたしまして。アドバイス料としてウィンナーよこしな」
マジでよこしてきたから返した。

▼ ▼

「今からの東京って、きっともっとヤバくなると思うんだよね、なまえさんは東京離れないの」
テレビをつけて、バラエティ番組を2人で見ながらパスタを食べた。鍋の底が見えてきたころ、虎杖くんが尋ねてきた。
「それ他の呪術師さんからも言われたけどさ。頼れるところとか他にないし。渋谷で行方不明の生死不明になってるから、実家に帰るのも無理だし」
「ならこれ」
彼がポケットから出してきたのは鍵だった。うちのアパートの鍵より少し立派な銀色の鍵には、ちょっと小洒落たお店にありそうな使い込まれた楕円形のレザーキーホルダーがついていた。
「これどこの鍵?」
「俺の仙台の家の鍵。ここ使って」
「はあ!?」
「さっき話した爺ちゃんと暮らした家。爺ちゃんはもう死んでいないけど、たまーに近所の人が風を通してくれてるらしいから、まだあんま汚くないと思う」
「いやこれはちょっと、さあ」
「え、なに」
「言葉でないんだよ!」
「俺はなまえさんのこと………大切に思ってるから。ちょっとでも安全な所にいてほしいから、困ったら使って。住所は後で連絡する」
「いや、こんなのもらったらフラグみたいになって、虎杖くん死にそうじゃん!」
「俺は死なないから」
パスタを食べる手も止めず、テレビを見ながら、ホントこっちが不安になるほど軽く言う。
「長生きして、死ぬほど呪いを祓うって決めてるから」
私の話を聞く時は、食べる手を止めてくれるのにね。

▼ ▼

「思いを伝えなかったのか」
好きなんだろう。
みょうじと別れて自室に向かう虎杖の背後の闇から、ぬるりと脹相が出て来て囁くように話す。
「どっから聞いてた」
「悠仁の家に近所の人間が風を通してくれてるらしい、あたりからだ」
「わりと最後じゃん…………俺は祓い続けないといけないから。あの人を巻き込みたくない」
脹相は眉を顰めて虎杖を見つめた。彼は一心に自分の身を案じてくれているのだから、虎杖は何も言えないし、もう邪険に扱えない。それに自分の不在時にみょうじを気にかけてくれていたという恩もある。
「九十九は、最後に俺に人間になれと言った。お前が人間をやめてどうするんだ。……なまえを呼んでくる」
「マジでやめて!!!ホントにやめて!自分でタイミング決めて言うから!」
「本当か?心配だな。お兄ちゃんにいつでも相談してくれ。恋愛相談は明るくないが頑張るぞ」
「いいから今は1人にして!」

2023-08-25
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