貴方の幸せ | ナノ
「まずは、どういう物をあげたいかってのをハッキリさせなきゃ」
電車に揺られて30分、私達は隣町のショッピングモールへやってきていた。半年ほど前にできたこのショッピングモールは、子供から大人まで欲しいものが全部手に入るという触れ込みで、いつ来ても沢山の人で賑わっている。
「そういうもんなのか?」
「そりゃもう。見てみなよこの分厚い館内案内図。1日で全部見て回ろうなんて無謀すぎる」
そう言うと、蘭丸はうーん…と考え込んでしまった。
「………………」
…………………。
「………………」
…………………。
「……ギブ。桜はなんか思いつくか?」
「そんなことだろうと予想はしてたよ。そうだねえ、無難にストラップとか、予算に余裕があればマグカップとか…やっぱり使える物が嬉しいんじゃないかな、うん」
「へえ、そうなのか。なら、そういう系統の物にしようかな」
「まああくまで私の考えだけどね。じゃあ、雑貨屋中心に見ていこう」
「付き合わせて悪いな、桜」
「何言ってんの。私こういうの好きだし、家にいても暇なだけだもん。それに、私達幼馴染でしょ?遠慮は無し、だよ」
「そっか…そうだな、ありがとう」
嘘と本音が混ざり合った私の言葉。それでも、蘭丸が笑ってくれれば私はそれでいい。
「じゃあ、れっつらごー」
さて、めぐみちゃんにぴったりなプレゼントはなんだろう?
140421
ストックはあってもパソコン使わせてもらえない
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